とてもリーズナブルな値段の「大吟醸酒」、松竹梅「磨き三割九分」を呑んでみました。

2023年5月31日

1.はじめに

 先日たまたまいつも行くスーパーのお酒売り場で、金色に輝く「松竹梅 特選 磨き三割九分 大吟醸:以下磨き三割九分」の大きな文字のラベルを見つけました。気になってよく見えると、【宝酒造】の「松竹梅」の「大吟醸」で、なんと値段が千円札1枚+αでした。「磨き三割九分」というと「獺祭」が思い浮かびますが、その値段は3倍近くになります。

 ということで今回は、このとてもリーズナブルな価格の「磨き三割九分」と、その「磨き三割九分」を製造している【宝酒造】をご紹介します。

2.【宝酒造】のご紹介

2-1)【宝酒造】の生い立ち

 【宝酒造】というと、まず「タカラ缶チューハイ」が頭に思い浮かびます。ただ歴史をさかのぼると、江戸時代後期の1842(天保13)年、京都・伏見で、日本酒の製造販売を始めたのが始まりだったようです。その後、日本酒の製造はを一時休業したのちに、主にみりんの製造を再開し現在まで続く「寶(たから)」印を商標登録しています。

 大正時代に入ると、いよいよ焼酎の製造を本格化させます。まずは新式焼酎(連続式蒸留器で蒸留した甲類焼酎)の販売権を得たのちに、自社製造の「寶焼酎」を発売し、爆発的なヒットとなったようです。

 そして昭和の初めに、今回ご紹介している「磨き三割九分」のルーツとなる【松竹梅酒造】が設立され、日本酒の製造が再開されました。私が小学校高学年だった昭和45年(1970年)からは、俳優の石原裕次郎さんが宣伝広告に起用され、毎日のように「よろこびの清酒(さけ)~、松竹梅」」というTVCMが流れており、今でもつい口ずさんでしまうほど、記憶に刷り込まれてしまいました。

 昭和54年(1979年)からは、焼酎、日本酒、みりんに続く4番目の事業の柱となる遺伝子工学技術を中心とするバイオテクノロジーを手掛けました。そして早くからPCR法を手掛け、新型コロナの感染検査に用いられたPCR検査キットの製造も手掛けたようです。

(以上【宝ホールディングス】ホームページから抜粋)

2-2)本格焼酎も手掛けている

 今回ブログを書くにあたり、あらためて【宝酒造】の商品ラインナップを調べてみました。【宝酒造】の焼酎といえば、甲類焼酎の「宝焼酎」有名ですが、本格焼酎(乙類焼酎)の、芋焼酎「一刻者(いっこもん)」も、こちらで製造していました。

 「一刻者」は、わが家のハウス焼酎「黒伊佐錦」や、お酒売り場の棚の領土拡大を着々と進めている「黒霧島」が代表する「霧島シリーズ」に比べると、少し高めですが、なかなか芋々しくて、好きな焼酎の一つになっています。「一刻者」のラベルには全量芋焼酎と書いてありますが、米、米麹は一切使わず、すべて芋から造られているので、独特の芋々しさを感じることができます。

「だいやめ」のご紹介
「だいやめ」のご紹介

 また「ISAINA(イサイナ)」という、割り方で味が変わる新世代の焼酎もライナップされていました。ソーダなどで割ると「果実」の香り、ロックやストレートでは「芋」の香りが感じられるようです。以前ご紹介した「だいやめ」と同じ路線の焼酎かと思い、値段もそれほどではないので、今度試してみようと思います。

3.「磨き三割九分」を呑む

3-1)とてもおとなしい味

「月光」のご紹介
「月光」のご紹介

 冷やたほうが美味しいと裏ラベル書いてあったので、冷蔵庫でよく冷やしてから開栓しました。金色の封印やラベルが、「磨き三割九分」への期待感をより高めてくれました。そして先日ご紹介した同じく「大吟醸酒」の「月光」の味が思い浮かびました。

 まずは香りを確かめようとボトルの口に鼻を近づけると、拍子抜けするほど無臭でした。そして一口呑んでみるとフルーティさはほとんど感じられず、少しだけ吟醸酒っぽさが口の中に残りました。

 キャッチコピーは、贅沢に精米歩合39%まで磨き上げたきれいな味わいと華やかな吟醸香の大吟醸、となっていますが、ちょっと期待が大きすぎたのかもしれません。

「磨き三割九分」のボトル(左)と 表ラベル(右上)と グラス(右下)
「磨き三割九分」のボトル(左)と 表ラベル(右上)と グラス(右下)

3-2)一晩で味が豹変

 とりあえず大手の酒造メーカーでは、味を大きく変えることは難しいのだと納得しようと思いました。そしてその日のうちに呑み切れなかったので、一晩冷蔵庫に入れておきました。

 翌日、晩飯どきに残っていた「磨き三割九分」をふたたび吞んでみた。すると昨日とは別物で、フルーティさが増して吟醸酒らしい味になっていました。赤ワインを開封後一晩おいておくと酸味が増して美味しくなることは知っていましたが、日本酒でも同じ現象が起こったようでした。

 前述の「月光」に近い味(あくまで記憶の中)で、とても美味しくいただくことができました。ひょっとすると昨日は、私の味覚が麻痺していたのかもしれません。

5.おわりに

 以上が「磨き三割九分」のご紹介になります。予想外におとなしかった味が、一晩冷蔵庫で寝かしたことで、とても美味しい味に豹変したのは、新しい経験でした。

 「磨き三割九分」は、おとなしい「大吟醸」と、ちゃんと主張する「大吟醸」の2つの顔を持っていました。値段も手頃なので、それを承知の上でこの「磨き三割九分」を呑むとおもしろいのではないかと思いました。

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