我が青春を彩ったクルマたち:その1(初代カリーナ編:最初にお世話になったクルマです。)

1.はじめに

 本編で10回、番外編で24回、の計34回も続いた「親父の車遍歴」シリーズに続き、今回からは私が青春真っただ中の学生時代に友人たちが乗っていたクルマたちと、そのクルマにまつわるエピソードなどを「我が青春を彩ったクルマたち」というシリーズで、ご紹介していきたいと思います。

「親父の車遍歴」シリーズ
「親父の車遍歴」シリーズ

 今でこそクルマは借りるもので、所有するものではないということで、休日になると ”わ” や ”れ” が付いたナンバーに乗った若い方々を多く見かけるようになりましたが、私を含めた当時の若者たちは、クルマこそ命、クルマがなければ何も始まらないといった時代でした。

 合コンをすると、最初の自己紹介は “クルマは何に乗っているか" から始まり、そのクルマの話題で盛り上がり、最後はそのクルマでのデートを申し込むというのが、お決まりのルーチンでした。

 特に私が学生時代に過ごしたところは、クルマがないと生活ができないほどアメリカナイズ(ただの田舎でした)されたところだったので、友人たちはほぼ全員なんらかのクルマを所有していました。

 今回(その1)では、その学生時代の友人の中で一番早くからクルマを所有し、そのクルマで毎日登校していた友人が乗っていた、トヨタの「初代カリーナ:以下カリーナ」をご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の学生時代のつたない記憶と、定期購読誌「国産名車コレクション」、「名車文化研究所」や自動車メーカーなどのサイト、を参考にして書いていることをご承知おきください。

2.「カリーナ」とは

2-1)「セリカ」の兄弟車

 「カリーナ」は1970年10月の第17回東京モーターショーで、兄弟車である「初代セリカ:以下セリカ」と共にお披露目され、同年12月に販売が開始されました。当時は自動車メーカー各社が、より幅広いユーザーニーズに対応するために、積極的にモデルラインナップを拡充しており、「カリーナ」はトヨタの中で「カローラ」と「コロナ」の間に位置付けられたファミリーカーでした。

 エクステリアデザインは、前衛的でまるで未来の国からやってきたような「セリカ」とは異なり、当時のトヨタのファミリーカーの流れを汲んだオーソドックスな2ドアと4ドアのセダンでした。

「カリーナ」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー)
「カリーナ」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー)

 ただそんなオーソドックスな中にも、新しい要素はしっかりと盛り込まれていました。ヘッドライトは丸形4灯式でしたが、内側のハイビームの2灯はフロントグリルに埋め込まれたようなデザインで、リアコンビランプは一目で分かる特徴的なタテ型でした。

フロントグリルに埋め込まれたハイビーム(左)と タテ型リアコンビランプ(右)
フロントグリルに埋め込まれたハイビーム(左)と タテ型リアコンビランプ(右)

 足回りは、ファミリーカーといえども兄弟車の「セリカ」譲りで、今は亡きアクション俳優の千葉真一さんをイメージキャラクターに起用し、”足のいいやつ” をキャッチコピーにしたスポーティさを前面に出したCMが展開されていました。

 エンジンのライナップは1.4リッターと1.6リッターで、トップモデルのSTグレードのエンジンには、1.6リッター直列4気筒OHVエンジンに2基のキャブレターを武装した2T-B(105馬力)が搭載されていました。

 その後1971年4月には、さらに強力な「セリカ」に搭載されていた1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン2T-G(115馬力)を搭載するGTグレードが追加され、足だけではなく心臓までも強力なスポーツセダンとなりました。

兄弟車の「セリカ」と共に(ホイールベースは両車とも同じで2425mmでした)
兄弟車の「セリカ」と共に(ホイールベースは両車とも同じで2425mmでした)

2-2)ハードトップの追加

 「カリーナ」は、「セリカ」だと少しこっぱずかしく、「コロナ」や「カローラ」では親父臭すぎるという、アクティブ親父たちの心を鷲づかみにし、あっという間に人気モデルになりました。

 特に高性能DOHCエンジンを搭載したGTグレードは、セダンでありながら、いざというときにはソレックスツインの心地よい吸気音を奏でながら疾走するという、当時は「ハコスカGT-R」がまだ現役で “羊の皮をかぶった狼" と呼ばれていましたが、この「カリーナ」のセダンGTも、その称号がぴったりのクルマでした。

 そして、1972年の12月にさらなる商品力強化を図るために、2ドアピラーレスのハードトップモデル(以下H/T)が追加投入されました。このファストバックスタイルのH/Tは、どちらかといえば地味目のセダンとは異なり、だれの目から見てもカッコいいクルマでした。

3.友人の「カリーナ」は

3-1)友人の「カリーナ」はH/T

 私の友人は、まだほとんどの友人が運転免許を持っていない中で、さっそうとブラウンカラーの「カリーナ」H/Tを学校に乗り付けてきました。なかなか粋なアイビールックできめ、少しすかしてクルマから降りてきた姿は今でもよく覚えています。

友人が乗る「カリーナ」のイメージ(パワポで作成)
友人が乗る「カリーナ」のイメージ(パワポで作成)

3-2)グレードは(?)

 友人の「カリーナ」H/Tのグレードは、たしかハイデラックスだと記憶していますが、トヨタのサイトに掲載されている「カリーナ」H/Tのカタログにはデラックスグレードしか出ていませんでした。途中で追加されたグレードだったのか、もともとデラックスだったのかは定かではありません。

 「カリーナ」H/Tのインストは、なかなかスポーティで我が愛車「ケンメリ」張りの5連メーター(「ケンメリ」は7連です!)でしたが、運転席に座らさせてもらうとなにか違和感を感じました。

「カリーナ」の時計が付いたインストのイメージ(パワポで作成)
「カリーナ」の時計が付いたインストのイメージ(パワポで作成)

 何かが違うのかとよく見てみると、なんとスピードメーターの隣の一等地に、タコメーターの代わりにとても視認性に優れるアナログ時計がレイアウトされていました。友人は概ねこの「カリーナ」H/Tが気に入っていたようですが、このことだけは少々気になっていたようでしした。

5速マニュアルミッションのシフトノブのイメージ(パワポで作成)
5速マニュアルミッションのシフトノブのイメージ(パワポで作成)

 トランスミッション(もちろんこの時代はマニュアルです)は、まだ4速が当り前の時代になんと5速で、リバースに入れるときに少しシフトノブを引っ張り上げるタイプでした。このシフトノブを軽快に操作し、すばやく引っ張り上げてリバースに入れ、バックで巧妙に駐車する友人の姿は、まだ運転免許すら持っていなかった私の目には、とてもカッコよく映りました。

3-3)悲願のタコメーター

 それから月日が流れ私も運転免許を取得し、我が愛車「ケンメリ」も私の元に届いたある日、友人が “ちょっとオレのクルマに乗ってみて" といいました。友人の「カリーナ」H/Tの運転席に座ると、なんとあの視認性に優れるアナログ時計がタコメーターに変わり、エンジンの鼓動を刻んでいました。

 どうやら中古品を安く手に入れたようで、友人は長年背負ってきたものを下ろしたときのような安堵感に満ちた顔をしていました。

「カリーナ」のタコメータに変わったインストのイメージ(パワポで作成)
「カリーナ」のタコメータに変わったインストのイメージ(パワポで作成)

4.「カリーナ」の主要諸元

競り合う「ケンメリ」と「カリーナ」のイメージ
競り合う「ケンメリ」と「カリーナ」のイメージ

 下表に「カリーナ」H/Tの1600デラックスとスポーツグレードの1600GT、「セリカ」クーペの1600GTの主要諸元を示します。友人の「カリーナ」H/Tのスペックは1600デラックスと同等としています。

 あらためてみると、友人の「カリーナ」H/Tのパワーウエイトレオは、GTには及ばないものの10を切っていました。

 2000㏄とはいえ、当時の厳しい排ガス規制に痛めつけられている我が愛車「ケンメリ」と、1600㏄とはいえ、排ガス規制前の友人の「カリーナ」H/Tの走行性能はほぼ互角で、シグナルグランプリ(もちろん道路交通法は遵守しています)ではかろうじて「ケンメリ」の勝ち、田舎道(?)では軽快に走る「カリーナ」H/Tの勝ちだったと記憶しています。

「カリーナ」H/Tと「セリカ」クーペの主要諸元

5.おわりに

 以上が、学生時代に私の友人が乗っていた「カリーナ」H/Tと、そのベースである「カリーナ」のご紹介になります。前述の通り友人たちの中では一番最初のクルマということで、私も含めた友人たちは、運転免許を取得するごとに、この「カリーナ」H/Tで最初の筆おろしをさせてもらいました。

 ただ今になって思えば、運転免許をとったばかりの初心者マークに大切な愛車を運転させるなんて、相当気が気ではなかったことと思います。あらためて有難うございました。

 そして今、その「カリーナ」H/Tの友人は、当時タコメーター交換で培った車両整備技術を駆使し、現在ヘリテージな四輪駆動の軽自動車いじりに励んでいるのだそうです。

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