我が愛車ケンメリの仕様・装備をご紹介します。(その6:カーオーディオ編)

1.はじめに

 前回(その5)では、我が愛車ケンメリ(4代目スカイライン:GC110、マイナーチェンジ後なので正確にはGC111)のディーラーオプションやアフターマーケット品をご紹介し、それらは今でも健在であるというお話をしました。

ケンメリの仕様・装備(その5)
ケンメリの仕様・装備(その5)

 今回(その6)では、我が青春をケンメリと共に、美しい(?)音楽で彩ってくれたケンメリのカーオーディオをご紹介したいと思います。最初は標準装着されていた純正ラジオ・カー ステレオから始まり、少しづつ進化を遂げて、最後はカーコンポーネントステレオまで昇華しました。

 なお各装備名称は、当時の取扱説明書やカタログに準拠しているので(取扱説明書とカタログの記載が異なる場合は取扱説明書を優先しています)、少し違和感のある部分もありますが、オリジナルに忠実にということで、ご了承いただけたらと思います。

2.最初は純正ラジオ・カー ステレオ

2-1)手動式のラジオアンテナ

 ケンメリのラジオアンテナ(以下アンテナ)は、運転席横のAピラーに付いています。もちろんアンテナを伸ばしたり縮めたりするのは手動ですが、運転席から簡単に手が届くので何の問題もありません。

 一番長く伸ばすと結構な長さになるので、立体駐車場に入れるときに格納するのを忘れると、残念な結果になります。実は何度かやらかしてしまい、さすがに曲がりが目立ってきたので、一度交換したことがあります。

 当時でも、高級車の中には電動式のアンテナを採用しているクルマもありましたが、Aピラーから斜めに伸びるケンメリのアンテナは、とてもスポーティでかっこよく映ります。

ラジオアンテナ:伸ばした状態(左:もっと伸びます)、格納した状態(右)
ラジオアンテナ:伸ばした状態(左:もっと伸びます)、格納した状態(右)

2-2)ラジオ局のプリセットが可能

 何度かご紹介しているように我が愛車ケンメリは中の上のグレードでしたが、最上級グレードのGTX-Eと同じく、AM放送だけではなく、当時出始めのFM放送も受信可能で、リアに2個、フロントに1個のスピーカーを持つ、高機能なFM/AMラジオが標準装備されていました。

 ”MULTI”というボタンを押すとステレオ再生になり、”PS”というボタンを押すと重低音が強調されるといったなかなかおごった機能を持っています。

 ラジオ局も、FM放送を2局、AM放送を3局の計5局のプリセットが可能で、下記写真の手順で簡単にできます。
  ①プリセットしたいボタンを手前に引く
  ②選曲ツマミで好きな局に合わせる
  ③プリセットしたいボタンを奥に押し込む(くたびれた指が映っているのはご了承ください)

FM/AMラジオと放送局のプリセット手順
FM/AMラジオと放送局のプリセット手順

2-3)カセットデッキの音質改善

 前述のおごった機能を持つFM/AMラジオに加え、カセットデッキまで標準装備されており、当時としては画期的なオートリバース機構が付いていました。

 私の青春時代は、貸しレコード屋で借りた最新アルバムをカセットテープに録音し、それをいかにいい音で聴きながらドライブ(デート)するかに命をかけていました(皆そうでした)。

 そんな命がけの中で、一応機構的にはおごったケンメリのカセットデッキは、私の期待に応えてくれることはなく、前述の”PS”ボタンを押しても、音がよりこもるだけでした。これはケンメリに限ったことではなく、このころの純正カーオーディオの音質は、極めて低レベルでした。

純正カセットデッキのイメージ(パワポで作成)

 このカセットデッキは、音質はたいしたことないのに、機構的にはおごっていたのでよく壊れました。

 何回も修理しているうちに、ディーラーがどこの修理業者に依頼するのかが分かってきたので、あるとき直接その修理業者のところに出向き、無理をいってカセットデッキのヘッドのアジマス(azimuth)を調整してもらい、片方向の音を良くして、もう一方の音はあきらめることにしました。

 ちなみにアジマスとは方位角という意味で、下図の通りカセットデッキのヘッドと磁気テープのアジマスを調整することで、音質を改善することができます。この調整で、なんとか聞ける音に改善できたので、しばらくはこの音とお付き合いしました。

アジマス調整のイメージ
(パワポで作成:少し誇張して描いています。)

3.カーコンポに進化

3-1)カーコンポが登場

 このころ音響メーカー各社から、カーコンポなるものが続々と発売されました。すでに家庭用オーディオは、アンプ、チューナー、プレーヤー、デッキ、スピーカーなどが別体となったものが人気で(今でもマニア向けには存在します)、自分の好きな機器を組み合わせて、皆さん音楽を楽しまれていました。

 そしてその流れに乗ってカーオーディオも各機器を別体にし、少し値は張りましたが、純正オーディオとは別次元の高品質な音を奏でていました。さすがに学生の身分では簡単には手を出すことはできず、どこかの御曹司らしき友人のクルマの中で、家庭用オーディオに勝るとも劣らない素晴らしい音を、たまに聞かせてもらっていました。

3-2)まずはスピーカーから

 いつまでもそんな御曹司のクルマの音に酔いしれているわけにはいかないので、まずはスピーカーからレベルアップすることにしました。

パイオニアのコアキシャルスピーカー

 当時の音響メーカー各社のカーコンポのブランドは主だったところで、パイオニアのロンサムカーボーイ、クラリオンのシティコネクション、パナソニックのテクニクスが、鎬を削っていましたが、その中でもパイオニアのロンサムカーボーイが、一歩前に出ているといった構図になっていました。

 これらの音響メーカーの中から私は、やはりNO.1ブランドということでパイオニアのロンサムカーボーイシリーズのウーハーとツイーターが一体になったコアキシャルスピーカーを選びました。このころのパイオニアは本当に元気でした。

昭和の香りがするフロントスピーカー
昭和の香りがするフロントスピーカー

 取り付けは意外と簡単で、リアパーシェルの純正スピーカーが付いていた場所に、ほぼジャストフィットしました。そして音質は見違えるように改善し、高音のシャカシャカから、低音のズンズンまで聞こえるようになり、まずはこれで十分と思いました。

 ただいくら悪い耳でも、徐々に音に慣れていくもので、後ろだけではなく、前からも音を出るようにしたいと思うようになりました。

クラリオンのツイーター
クラリオンのツイーター

 インストの上には、昭和の香りがするラジオ用のスピーカー(このころはこのスピーカーだけのクルマも多く走っており、AMラジオから流れる演歌がよく似合いました)が付いていましたが、さすがにここから音を出しても、音質が悪化するだけと思い、たまたまカーショップで見かけた、クラリオンのアッテネーター付きのツイーターを取り付けました。

 これで、フロントからも、高音のシャカシャカが聞こえるようになり、臨場感あふれる360度の音場が完成しました。

3-3)いよいよケンメリにもカーコンポが!

 アジマス調整して何とか生き延びていた純正のカセットデッキにも、徐々に限界を感じるようになりました。やはり御曹司のクルマの中で聞いた音を忘れることができず、お前の耳なら今の音で十分だ、といくら自分に言い聞かせてもダメでした。

 そして意を決して、バイトで稼いだなけなしのお金で、カーコンポのカセットデッキを取り付けることにしました。カセットデッキのブランドは、すでに付けていたスピーカーに合わせてパイオニアのロンサムカーボーイを選びました。

パイオニアのロンサムカーボーイのカセットデッキ(アンプは別体です)
パイオニアのロンサムカーボーイのカセットデッキ(アンプは別体です)

 取り付けは友人がバイトしていたガソリンスタンドの片隅を使わせてもらい、自分で頑張って行いました。カセットデッキは、まだ1DINサイズが一般的ではなく、各社各様のサイズの中で、まるでケンメリ専用に造られたがごとく、純正のカセットデッキの跡地にぴったりと収まりました。

 そしてお気に入りのカセット(多分サザン)を挿入すると、ケンメリの室内がコンサートホールに生まれ変わりました。今でもそのときの感動は忘れられません。

 ただ、やはりこのカセットデッキの機構も何度か壊れ、ときにはカセットテープを食べたりすることもありましたが、結構長い間ドライブ(デート)のお伴として頑張ってくれました。そして最初のころの感動も歳と共に次第に薄れ、今ではセンターコンソールの一等地でひっそりと佇んでいます。

4.おわりに

 以上が、我が愛車ケンメリのカーオーディオのご紹介になります。

 あれだけお世話になり、我が青春を彩ってくれたカーオーディオですが、最近はクルマの中ではめっきり音楽を聴かなくなり、ただ瞑想にふけりながら(前はちゃんと見ています)流れゆく景色を楽しむようになってしまいました。どうやらの仙人の領域に達しようとしているのかもしれません(ただ歳をとっただけです)。

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