親父の車遍歴:番外15(東京モーターショーあらためジャパンモビリティショーに行ってきました。)

2024年2月23日

1.はじめに

 (番外13)の「平成ABCトリオ」のご紹介の中で、今年の秋に4年ぶりとなる東京モーターショー(以下東京MS)が、名前をジャパンモビリティショー(以下JMS)にあらためて開催されるというお話をしました。

(番外13):平成ABCトリオ【前編】
(番外13):
平成ABCトリオ【前編】

 そしていよいよ10月28日から11月5日の9日間(一般公開日)の日程で開催されたので、新型コロナの在宅勤務以来、自宅に引きこもり気味の私でしたが、重い腰を上げて見学にいくことにしました。

 ということで、今回はJMSを見学に行った私の一日をご紹介します。各社のブースについては専門サイトが詳しくご紹介されているので、私なりに気がついた点などをお話ししたいと思います。

 また、まだJMSの開催中にこのブログを公開したかったので、いつもなら2回に分けるところを、1回の長編となっていることをご了承ください。

2.チケットはネットとコンビニのみ

2-1)コンビニのチケット端末は大渋滞

 最近は、わが家の最寄駅からJR直通の電車が利用できるようになったので、大崎駅からりんかい線に乗り換えるだけで、JMSが開催されている東京ビックサイトまでは、とても楽に行くことができるようになりました。

 そして、国際展示場駅に到着すると、この日は平日だったので、仕事がらみでJMSにいかれるスーツ姿の方が多くみられ、なんとなくビジネス系のショーが開催されているときのような雰囲気だなと思いました。

 駅を出ると、持ち回りでやらされている感満載の方々が、JMSはこちらというは看板を持って案内されていました。そして、会場ではチケットは販売していないので事前にネットかコンビニで購入してから会場に向かってください、とおっしゃっていました。

 事前にネットやコンビニで購入できることは知っていましたが、今での慣例で、少し並んでもいいので会場で買えばいいやと思っていました。が、これはまずいと思い、近くのコンビニに駆け込みました。レジの方にお聞きすると、JMSチケットはレジではなく、コンサートのチケットなどを扱う端末で申し込む必要があるようでした。

 そしてその端末の前には、既に10名ぐらい並んでおられました。並んでいるのは私より更にご年配の方々がほとんどで、端末の操作で悪戦苦闘されていました。並んでいる方の中には、JMSチケット購入ではなく、普通にコピーされている方もお見えになり、これは何事か、といったような顔をされていました。

 おひとりにかかる時間が長いので、30分近く待ってようやく順番が回ってきました。一応端末の上には、JMSチケットの購入手順は手書きで補足してありましたが、名前や電話番号などの入力も必要で、ご年配の方々が苦労される理由が分かりました。

コンビニのチケット端末(左)と JMSのチケット(右上)と コンビニ前の長蛇の列(右下)
コンビニのチケット端末(左)と JMSのチケット(右上)と コンビニ前の長蛇の列(右下)

 コンビニの方に、これは迷惑なことですね、とたずねると、少しお年を召した店長らしき方でしたが、今の時代はもうこれが当り前ですから、と笑顔で答えられました。たしかに面倒なのはお客さんだけで、コンビニにしてみれば、客単価3000円の上客が列をなすわけなので、けっして迷惑な話ではないようでした。

 そして私がコンビニを去るときには、端末の前の列は倍以上になっていました。こんな状況で、今度の3連休は一体どういった事態になるのか、考えるだけでゾッとしました。

2-2)会場に向かう

 なんとかチケットを入手して会場に向かうと、その途中にはJMSの垂れ幕などはまったく見当たらず、いまいち盛り上がりに欠けた感がありました。そして会場に到着すると、ようやくモーターショー(モビリティショー)らしくなってきました。

駅前の案内(左上)と 会場までの道のり(左下)と 会場前(右)
駅前の案内(左上)と 会場までの道のり(左下)と 会場前(右)

2-3)本当にチケットは売っていない!

 会場の入り口には、先ほどのチケットに関する案内看板がありました。そしてチケット未購入の方の先には、QRコードがむなしく提示されていました。どうやら本当にチケット売場はありませんでした。こうなると先ほどコンビニで悪戦苦闘していたようなご年配の方々は、どうなってしまうのでしょうか?

 スマホを持って入れば、多少苦労してもなんとかなるものの、そうでない場合は駅前のコンビニまで戻るしか手はないことになります。長年モーターショーに通い続けたクルマ好きの大先輩たちに、このような仕打ちをしていいものなのでしょうか? きっと、最後の駆け込み寺が設けてあると信じています。

会場でのチケット販売の案内
会場でのチケット販売の案内

 世の中、ネットの普及でますます便利になっていきますが、それに取り残された方々は、今までできていたことができなくなるという、とても不便な思いをすることになります。

 参考までに、現在開催されている男子ゴルフの「マイナビABCチャンピオンシップ」は会場でチケット販売を実施、女子ゴルフの「TOTOジャパンクラシック」はチケット販売はネットのみとなっていました。

3.まずは自動車会社のブースのある東館へ

3-1)結構な賑わいでした

 セキュリティチェックを通り、いよいよ会場に入りました。会場までの道のりではいまいち盛り上がりに欠けていると思いましたが、会場の中はスーツ姿の方が中心ですが、なかなかの賑わいをみせていました。海外からの団体旅行客などもおみえになり、これならまだまだモーターショーも安泰かなと思いました。

 まずは自動車会社のブースのある東館に向かいました。うしろから、スゲー楽しみ、と興奮して近づいてくる気配を感じると、なんと普通の髪型の高校生たちが私を追い抜いて、自動車会社のブースに突進していきました。まるで私が学生時代に、初めて東京MSに来たときのようでした。まだまだクルマ好きの若者が残っているのだなと、少し安心しました。

自動車会社のブースに向かう人たち(備考:ところどころに消毒用のアルコールが置いてありました)
自動車会社のブースに向かう人たち(備考:5類になってもちゃんと消毒用のアルコールが置いてありました)

3-2)各社のブースをまわる

3-2-1)熱い日産ブース

 日産ブースに行くと、昔東京MSで感じたような熱気に包まれていました。日産オリジナルワールド「Electrify the World」という5人のキャラクターが演ずるショートムービーが大画面に映され、メインステージのセンターに「NISSAN HYPER FORCE」という、次世代「GT-R」らしきクルマが輝いていました。

日産ブースのメインステージで輝きを放っている次世代「GT-R」らしきクルマ
日産ブースのメインステージで輝きを放っている次世代「GT-R」らしきクルマ

3-2-2)航空機メーカーのホンダ

 ホンダのブースには、なんとプライベートジェットや空飛ぶクルマが展示してあり、異彩を放っていました。もちろんSONYと協業で開発された「AFEELA」というプロトタイプEVなど、次世代のクルマも展示してありました。

ホンダブースの航空機たち
ホンダブースの航空機たち

3-2-3)普通に馴染んでいるBYD

 いよいよ中国のEVメーカーBYDが日本に進出するということで、それなりの規模のブースを構えていました。コンパクトクラスから大型SUVまで幅広いラインアップを有しており、その強い意気込みを感じました。

なかなか立派なBYDブース(備考:クルマのクオリティもなかなかです。)
なかなか立派なBYDブース(備考:クルマのクオリティもなかなかです。)

3-2-4)さすが前身は中島飛行機(スバル)

 スバルブースでは、メインステージでいきなり空飛ぶクルマが空を飛んでいました。もちろん演出ですが、さすが中島飛行機が前身だけあって、航空機にかける思いも並々ならぬものがあるようです。

スバルブースの空飛ぶクルマ
スバルブースの空飛ぶクルマ

3-2-5)ロードスターの血統(マツダ)

 マツダブースでは、なんとも美しいシルエットを身にまとったコンセプトカー「ICONIC SP」が印象的でした。「初代ユーノスロードスター」も展示してあり、このコンセプトカーがその血統を受け継いでいることを物語っているようでした。

マツダブースの「ICONIC SP」と「初代ユーノスロードスター」
マツダブースの「ICONIC SP」と「初代ユーノスロードスター」

3-2-6)2台の高級車が大人気(トヨタ)

 トヨタブースでは、営業利益4兆円越えの財力に物を言わせ、日産よりさらに大きなスクリーンと、幅広いジャンルのコンセプトカーで、自工会会長でもある豊田章男会長の威信をかけてJMSを盛り上げていました。そんな中で、妙に人だかりができている2台のクルマが、私はとても気になりました。1台はあの「センチュリー」のSUV。もう一台は「クラウン」のセダンでした。

トヨタブースの「センチュリー」の SUV(左)と「クラウン」の セダン(右)
トヨタブースの「センチュリー」の SUV(左)と「クラウン」の セダン(右)
(その14):平成ABCトリオ【後編】
(その14):
平成ABCトリオ【後編】

3-2-7)少し大きなコペン(ダイハツ)

 ダイハツブースでは、ひとまわり大きくなった新しい「コペン」が展示してありました。以前「平成ABCトリオ」のご紹介の中で、当時の軽自動車のスポーツカーの中で苦汁をなめ、そのリベンジをかけて「コペン」が発売されたというお話をしましたが、やはりダイハツは「コペン」には、強い思い入れがあるようです。

新しい「コペン(左)」と「初代コペン(右上)」と なぜか「ミゼット(右下)」
新しい「コペン(左)」と「初代コペン(右上)」と なぜか「ミゼット(右下)」

3-2-8)やけに気合が入っているいすゞ

 JMSの会場に入って最初に、いすゞの横断幕が目に入りました。なぜいすゞだけがこのようなことをと思いつつ、ひと通り自動車会社のブースをまわり、最後に商用車エリアに行くと、やはりいすゞが一番気合を入れてブースを構えており、レベル4(限定された条件下での完全自動運転)の自動運転車両まで展示していました。

 気合が入っている理由はよく分かりませんが、2021年にUDトラックス(ずいぶん前は日産ディーゼル)がいすゞグループの一員となったので、更なる飛躍を遂げようとしているのかもしれません。

いすゞの横断幕(左上)と レベル4自動運転車両(左下)といすゞブース(右)
いすゞの横断幕(左上)と レベル4自動運転車両(左下)といすゞブース(右)

 以上が、各自動車会社のブースのサマリーですが、この中でご紹介しきれなかった自動車会社もあることを、ご承知おきください。

4.次に西館から南館へ

4-1)西館はさくっと

 西館は部品関連の展示なのでさくっとみて、カミさんからの頼まれごとのある南館に向かいました。ただ部品関連会社の中に、いつもならドンシャリと派手な音を鳴らしていたカーナビやカーオーディオなどのAV(Audio Visualの意味です!)系の会社の出展が、ほとんどなかったのが気になりました。

西館の部品関連会社のブース(ビジネス関連の方で結構に賑わっていました。)
西館の部品関連会社のブース(ビジネス関連の方で結構に賑わっていました。)

4-2)会場内で一番賑わっているブース

 南館に近づくと、次第に子供ずれのファミリーの数が増えてきました。そして南館に入ると、今まで優位を保っていたスーツ姿の方との比率が逆転しました。

 どうやらお目当ては全世界でもっともクルマを販売しているトミカのブースのようでした。私もカミさんにJMS限定のミニカーを頼まれていたので、トミカのブースに向かいました。

 まず入口に本物のレーシングカーが置いてあり、その横には東京MSの原風景であるコンパニオンが笑顔でたっていました。そういえば今までまわったブースでは、ほとんどコンパニオンは見かけなかったので、昭和にタイムスリップしたような気分になりました(今でも東京オートサロンでは当たり前の光景です)。

 ブース内には、これでもかとトミカのミニカーが展示されていました。さすが世界でNO.1の自動車(?)会社です。

レーシングカーとコンパニオン(左)と 大量に展示されたにされたトミカのミニカー(右)
レーシングカーとコンパニオン(左)と 大量に展示されたにされたトミカのミニカー(右)

 そしてお目当てのトミカのミニカー売場に行くと、予想はしていたもののすさまじい長蛇の列ができていました。その列の最後尾はミニカー売場の裏までまわり込んでおり、そこに並ぼうとすると係りの方に、整理番号の付いた用紙に購入したいミニカーを記入して、その整理番号が呼ばれるまで、他のブースでも見てお待ちください、といわれました。

トミカのミニカー売場の長蛇の列
トミカのミニカー売場の長蛇の列

 1時間ほど待ってようやく私の整理番号が呼び出されたので、列に並びました。まだここから50分のようです。そこからは、ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンの待ち行列のように何度も折り返して前に進みました。

 そしてようやくミニカー売場に到達し、無事お目当てのミニカーを買うことができました。最初はカミさんから頼まれた分だけと考えていましたが、これだけ並んだのだからと、あと2台購入しました。

記入用紙(左)と 整理番号表示(左中)と 列の最後尾(右中)と 購入した3代のミニカー(右)
記入用紙(左)と 整理番号表示(左中)と 列の最後尾(右中)と 購入した3代のミニカー(右)

5.昼飯は大阪ブラックラーメン

会場での昼飯は、とても天気が良かったのでオープンエアでいただくことにしました。15の屋台からなるジャパンミートショーというのが、西館の脇で開催されていましたが、かなりの混雑だったのであきらめました。

ジャパンミートショーの会場
ジャパンミートショーの会場

 東館の奥にも少し屋台がでているようなので行ってみると、なかなか魅力的な屋台が並んでおり、それほど混雑もしていませんでした。ここは穴場かもしれません。

 その中から、なぜか大阪ブラックラーメンが目に留まりました。あの肉体労働者の栄養補給のために生まれた富山ブラックと同じような見た目で、名前も近いということで、ブース見学で疲れた身体を癒そうと、これを注文しました。味は富山ブラックとほぼ同じで、濃いめの醤油ラーメンでなかなか本格的でした。

 ここからは東京ゲートブリッジも拝むことができのできるので、おかげさまでお腹も心も満たされました。

大阪ブラックラーメンの屋台(左)と 大阪ブラックラーメン(中)と ずらっと並ぶ屋台(右上)と 東京ゲートブリッジ(右下)
大阪ブラックラーメンの屋台(左)と 大阪ブラックラーメン(中)と ずらっと並ぶ屋台(右上)と 東京ゲートブリッジ(右下)

6.ビール難民になる

 ひと通りの見学を終え、最後にビールで癒されてから帰ろうと、以前よく行ったカフェテリアに立ち寄りました。ビールとポテトフライのようなおつまみをと思ったのですが、なんと1000円以上のランチメニューしかありませんでした(以前はおつまみもありました)。

 他のお店もまわってみましたが、どこも同じか、もう閉店していました。すぐにでもビールが呑みたかった私は、ふとコーヒーショップのプロント(PRONTO)でもビールが吞めることを思い出しました。ポテトフライはなくともケーキ類がつまみ代わりになるだろうとプロントに向かい、無事ビールとケーキをゲットし、今年のJMSは有終の美を飾りました。

閉店したレストラン(左)と プロントのビールとケーキ(右)
閉店したレストラン(左)と プロントのビールとケーキ(右)

7.おわりに

 以上が、私の今年のJMSの一日です。最初は腰が重かったのですが、いざ来てみると昔の血が騒ぎ、足がパンパンになるまで見学してしまいました。もちろん1万歩越えです。

 昔の東京MSとは違い、華やかなコンパニオンはほとんどいなくなり、説明はQRコードからがメインとなっていました。この流れは致し方ないことと思いますが、ブログの中でも触れたように、クルマ好きの大先輩たちへの配慮も忘れないでほしいと思いました。

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