JR岐阜駅直結「アクティブG」で、本格的な岐阜グルメが味わえる居酒屋【くらうど】を見つけました。

1.はじめに

 先日、我が故郷岐阜にカミさんとふたりで帰省したときに、JR岐阜駅に着いた時点でもう時間が遅かったので、駅周辺で晩飯を食べることにしました。

 JR岐阜駅は、昔の国鉄時代は周辺には飲食店はほとんどなく、岐阜駅構内にあるステーションレストラン(多分こんな名前のお好み食堂)のみでした。ここにはこどもの頃、たまにおばあちゃんに連れて行ってもらい、とてもリッチな気分に浸ったという記憶が残っています。そもそも外食自体が、贅沢な時代でした。

岐阜帰省・観光
岐阜帰省・観光

 そして国鉄からJRに変わり、JR岐阜駅も高架線の現代風の容姿に生まれ変わりました。周辺には高層マンションも建ち、JR岐阜駅構内、隣接施設には多くの飲食店やショップが入り、昔の昭和の面影はまったくなくなりました(ただ以前もご紹介しましたが、駅の向いにある問屋街は未だにド昭和そのものです)。

JR岐阜駅周辺の高層マンション(左)と 現在のJR岐阜駅(右)
JR岐阜駅周辺の高層マンション(左)と 現在のJR岐阜駅(右)

 雨もちらついていたので、なるべく歩かなくてもいいように、JR岐阜駅に隣接するアクティブGという商業施設の中のお店を物色してみると、岐阜のおいしいお酒とお料理【くらうど】というお店を見つけました。そういえば今までカミさんにあまり岐阜の料理を食べさせたことがなかったので、このお店で晩飯を食べることにしました。

 ということで、今回はこの【くらうど】を、ご紹介させていただきます。なにげに入った店でしたが、岐阜のいろいろなおいしい(めずらしい)料理を堪能することができました。

2.【くらうど】とは

 【くらうど】は岐阜の郷土料理にこだわったお店ということで、どこかの老舗が展開する新業態と思いきや、そのルーツは1997年に岐阜市弥八町(あの美川憲一さんの柳ケ瀬ブルースで有名な柳ケ瀬の近くです)にオープンした【和風ビストロ&バー ENSO】でした。

 その後、2001年に【円相フードサービス】として法人格となり、岐阜を中心に、東京、大阪、名古屋、さらにはベトナムにまで、様々なジャンルのお店を20店舗以上展開しています。今回お伺いした【くらうど】は、2017年にその前にあった【ニュートンバル】というお店を改装してリニューアルオープンしたお店でした。

【くらうど】の入口(岐阜県県産品愛用推進宣言の店という看板が立っていました)
【くらうど】の入口(岐阜県県産品愛用推進宣言の店という看板が立っていました)
【鳥開】のご紹介
【鳥開】のご紹介

 先日ご紹介した親子丼の名店【鳥開 総本家】を展開する【株式会社プログレ】といい、最近はとことん味にこだわり、かつセンスのいいフードプロジューサーが展開する、本格的なお店が増えてきているような気がします。

3.豊富な県産メニュー

 さすが岐阜県産と謡うだけあり【くらうど】のメニューはとても充実しており、私が昔から馴染んでいる料理、ちょっとローカルすぎて知らなかった料理(私の知識不足です)、私がこどもの頃はそこまで有名ではなかった料理などが揃っていました。

 この中から、今晩食べる料理を選ぶとなるととても悩ましく、岐阜の出身ではないカミさんにはどうせ分からないだろうと、私の独断と偏見で選ぶことにしました。

【くらうど】の岐阜県産メニュー(見づらくてすいません)
【くらうど】の岐阜県産メニュー(見づらくてすいません)
【くらうど】の岐阜県産メニュー(精一杯画像補正しましたが、とても見づらくてすいません)
【くらうど】の岐阜県産メニュー(精一杯画像補正しましたが、とても見づらくてすいません)

4.私の選んだ特撰料理

4-1)「岐阜もの八寸盛り合わせ」

 まず最初は、岐阜の郷土料理を数種類盛り合わせた「岐阜もの八寸盛り合わせ」を注文しました。

 カミさんにいろいろな岐阜県産を食べさせてあげたいという旦那心から選んだのですが、この中で私が知っていたのは「鮎の甘露煮」と「赤かぶら漬け」だけでした。もうこれからは、私は岐阜の出身とはいえなくなりました。

「岐阜もの八寸盛り合わせ」
「岐阜もの八寸盛り合わせ」

4-2)「鮎の刺身」と「朴葉味噌焼き」

 私にとっての岐阜県産とは、やはり鮎と朴葉味噌になります。鮎料理となると一般的に塩焼きがメジャーですが、めずらしい「鮎の刺身」が食べられるということなので迷わず注文しました。

 そもそも鮎は清流で育つ川魚なので、刺身でも臭みはまったくなく、しかも頭と骨は唐揚げにしていただけたので、久しぶりにおいしい鮎を堪能することができました。

 朴葉味噌は豪勢に飛騨牛がのったものもありましたが、こどもの頃から慣れ親しんでいるネギとキノコと味噌のみの、朴葉味噌本来の味が楽しめる「朴葉味噌焼き」を選びました。こどもの頃、家族で飛騨方面にドライブに行ったときに寄ったドライブインで食べた素朴な味を思い出しました。

「鮎の刺身」(左)と「朴葉味噌焼き」(右)
「鮎の刺身」(左)と「朴葉味噌焼き」(右)

4-3)「牛すじのどて煮」と「黒味噌おでん」

 続いて注文したのが「牛すじのどて煮」と「黒味噌おでん」です。

 「牛すじのどて煮」は、牛すじを赤味噌でじっくりと煮込んだ料理ですが、こどもの頃、親戚一同が集まったときに、10歳年上の従妹がよく作ってくれました。

 「黒味噌おでん」は、私がこどもの頃はおでんの具に串を差して鍋の中で温め、その鍋の真ん中に置かれた湯呑に入った赤味噌をつけて食べたものだ、といってもカミさんがまったく信じないので、それを証明するために注文しました。

私がこどもの頃食べた味噌おでん(左)と 一般的なおでん(右:昔岐阜では関東煮といわれていました)(パワポで作成)
私がこどもの頃食べた味噌おでん(左)と 一般的なおでん(右:昔岐阜では関東煮といわれていました)(パワポで作成)

 ただ出てきたおでんは、私のイメージしていたものとは違い、たまり味噌を使った飛騨地方の郷土料理でした。具はちくわが売り切れだったので、下呂(下呂温泉で有名なところです)産の玉こんにゃくを選びました。

 残念ながらカミさんに味噌おでんの証明ができませんでしたが、これはこれでおいしいおでんで、私の知らない岐阜に触れることができました。

「牛すじのどて煮」(左)と「黒味噌おでん」(右)
「牛すじのどて煮」(左)と「黒味噌おでん」(右)

4-4)「自然薯とろろ」と「こも豆腐」

 こちらは「牛すじのどて煮」を定食で注文したら、おまけ(?)で付いてきた「自然薯とろろ」と「こも豆腐」です。

 「自然薯とろろ」は美濃の自然薯の風味と粘りを活かしつつ、たっぷりの出汁ですりのばした絶品でした。

 「こも豆腐」は、今までに会席料理の小鉢でなんとなく見たような気はしますが、正直あまり記憶に残っている料理ではありませんでした。「こも豆腐」は藁を編んだ「こも」で包んで茹であげる伝統料理で、最初に食べた「岐阜もの八寸盛り合わせ」にも入っていました。

 どうやらこの「こも豆腐」も、私が知らないだけの岐阜を代表する郷土料理だったようです。

「自然薯とろろ」(左)と「こも豆腐」(右)
「自然薯とろろ」(左)と「こも豆腐」(右)

5.豊富な地酒メニュー

 地酒も25種類以上揃えられており、【くらうど】は岐阜県内最大級の地酒ダイニングでもあるようです。岐阜を代表する地酒はもちろんのこと、小さな蔵の隠れた銘酒も数多くあり、岐阜の様々な地区の個性溢れる地酒が楽しめるようです。

 私はこれだけの豊富な品揃えだとはつゆ知らず、少しのどが渇いていたので最初に生ビールを3杯ほど、続いて地酒ではなく地焼酎を2杯ほど吞んでしまい、そろそろフィニッシュというところでその地酒に気付きました。あとで分かったのですが、地酒飲み放題というコースもあったようです。残念です。

【くらうど】の地酒の一例(左)と 地酒のメニュー(こちらも精一杯画像補正しましたが、とても見づらくてすいません)
【くらうど】の地酒の一例(左)と 地酒のメニュー(こちらも精一杯画像補正しましたが、とても見づらくてすいません)

6.おわりに

 以上が、たまたま見つけた本格的な岐阜グルメが味わえる居酒屋【くらうど】のご紹介です。どの料理も本格的かつ丁寧に仕込まれており、このお店に来れば、岐阜の郷土料理がくまなく食べることができそうです。

 そして今回はあらためて、こんなにたくさん私の知らない岐阜の郷土料理があることと、そのひとつひとつの伝統に裏付けられた味の奥深さを感じることができました。

【くらうど】ホームページ
岐阜市観光ナビ

■■■ 提携先旅行サイト ■■■