相模原にある鰻の名店【三㐂(みき)】で、ふっくらとした絶品鰻を食べました。

2024年8月3日

1.はじめに

 先日、カミさんのおかあさんや兄弟たちと、相模原にある鰻の名店【三㐂】に行ってきました。少し前にご紹介した岐阜の鰻の老舗【二文字屋】の関西風の「地焼き」ではなく、関東風の時間をかけてじっくり蒸しあげたとてもふっくらとした鰻で、これまた絶品でした。

【二文字屋】のご紹介
【二文字屋】のご紹介

 ということで、今回は相模原にある鰻の名店【三㐂】をご紹介したいと思います。たまたまですが、2ヶ月続けて本格的な絶品鰻を味わうことができ、とても幸せな気分になりました。

2.【三㐂】のご紹介

2-1)創業は昭和49年

 【三㐂】の創業は昭和49年(1974年)で、来年で創業から50年を数える相模原では有名な鰻の名店です。場所は相模原市役所の近くで、幹線道路から少し入った住宅街の中にあります。

 駐車場はお店の前と横にあり、全部で10台ほど止められそうでした。ちなみにお店の前の駐車場は、住宅街の中ということで前向駐車が基本でした。

【三㐂】の駐車場:お店の前(左)、お店の横(右)
【三㐂】の駐車場:お店の前(左)、お店の横(右)

 お店の入口は、さすが50年近く続く名店の雰囲気を漂わせていました。

【三㐂】のお店の外観(左)と 入口(右)
【三㐂】のお店の外観(左)と 入口(右)
【三㐂】の入口付近

【三㐂】の入口付近

 お店の中は、カウンター席とテーブル席と座敷があり、座敷は襖を解放すれば、ちょっとした宴会ができそうな広さでした。

【三㐂】の店内:テーブル席(左)と 座敷(右)
【三㐂】の店内:テーブル席(左)と 座敷(右)

2-2)【ての字】がルーツ

 【ての字】とは、東京の西新橋にある文政10年(1827年)創業の老舗の鰻屋です。こちらのお店は、芝地区で活鰻の卸問屋を営む三和淡水魚株式会社の直営店で、【三㐂】の板前さんは以前こちらで働いておられたようです。

 そのときからのつながりで、鰻は静岡県の吉田町産を使っており、稚魚不足で鰻が高騰している中でも安定して仕入れることができ、特に値上げせずに営んでおられるようです。もちろんご努力はされているのだと思います。

2-3)吉田町の鰻

 静岡県で鰻といえば、まずは浜名湖の名前が思い浮かびますが、吉田町の鰻は身がやわらかく脂のりが抜群なことで有名なんだそうです。

 吉田町は大井川の河口付近に位置していますが、度重なる洪水による土砂が原因で、田んぼの下からは大井川の冷たい水が湧き出るようになり、稲が育たなくなってしまいました。

 その苦境を打開すべく、久保田恭という方が立ち上がり、その稲作ができなくなった原因となった大井川から湧き出る冷たい水を利用して、鰻の養殖を始めたのが吉田町の鰻の始まりなのだそうです。これは大正時代のお話になります。

(引用:よしまち ぱぶりこホームページ)

3.【三㐂】のメニュー

 【三㐂】の看板メニューは、もちろん鰻になりますが、お店のロゴにも書いてあるフグも有名なのだそうです。ただ季節ものということで、冬場のみの提供となるようです。

【三㐂】のロゴ
【三㐂】のロゴ

 鰻のメニューは、単品と、定食と、ひつまぶしと、コースがありました。男性陣は定食、女性陣は茶碗蒸しとデザートに惹かれてコースを選びました。 

 男性陣の定食はたった500円違いだったので奮発して(上)を、女性陣のコースはあくまで茶碗蒸しとデザートがお目当てということで、リーズナブルな(竹)に落ち着きました。

 あとから分かったのですが、注文するときに関西風の「地焼き」をお願いすると、快くご対応いただけるようでした。さすが名店です。

【三㐂】の鰻メニュー
【三㐂】の鰻メニュー

 鰻以外にも、刺身や焼き魚、とんかつや海老フライなどの定番の定食が、ほどよい値段で用意されており、普段の昼食どきにお伺いするのもありかなと思いました。

【三㐂】の定食メニュー
【三㐂】の定食メニュー

 鰻や刺身は一品料理でもいただくことができるようで、写真では反射してよく見えませんが、う巻はなんと4400円となっていました。私のつたない経験では、う巻は蒲焼に比べて比較的安価なイメージをもっていましたが、相当本格的なう巻のようでした。

 そのほかには、天ぷらや酒の肴になりそうなメニューも充実していました。

【三㐂】一品料理メニュー
【三㐂】一品料理メニュー

 お酒のメニューもそこそこ充実しており、焼酎好きの私には、「千亀女(せんがめじょ)」の芋焼酎と麦焼酎が目に留まりました。あまり見かけない焼酎なので調べてみると、鹿児島県志布志市にある【若潮酒造】で造られていました。

 伝統的なかめ壺仕込み、木樽蒸留による、ほのかに杉が香る味わい深さの芋焼酎と、じっくり丁寧に醸された焼酎を、かめ壺に貯蔵し熟成させた麦焼酎、のようでした。

【三㐂】のドリンクメニュー
【三㐂】のドリンクメニュー

 この「千亀女」は、芋、麦共に、座敷の奥の棚にずらりと並んでおり、相当常連さんに人気があるのだなと思うと共に、もちろん呑みたくなりました。が、この日は残念ながら運転手だったので、別途購入し味わってみたいと思います。

ボトルキープされた「千亀女」
ボトルキープされた「千亀女」

4.うなぎ定食(上)を食す

 鰻が出てくるまで少し時間がかかるということで、一品料理として、だるまイカの刺身と、揚げ出し豆腐を頼みました。穴子の天ぷらも食べたかったのですが、残念ながら夜のみのメニューということでした。

 だるまイカの刺身は、本日のおすすめメニューということで少し値は張りましたが、コリっとした食感でとてもおいしかったです。揚げ出し豆腐も、出汁の効いた名店の味でした。

揚げ出し豆腐(左)と だるまイカの刺身(右)
揚げ出し豆腐(左)と だるまイカの刺身(右)

 そしていよいようなぎ定食(上)の登場です。お重の上に丁寧に焼き上げられたふっくらとした鰻がどっしりと鎮座し、刺身の盛り合わせもこれだけで十分な定食になりそうなほどのボリュームでした。うな重(上)にプラス1050円で、これだけの刺身の盛り合わせがつくとは、ずいぶんと得した気分でした。

うなぎ定食(上)
うなぎ定食(上)

 そして主役のうな重に箸を入れると、箸はなんの抵抗もなくスルリとふっくらた身を通り抜けました。これぞ名店の関東風鰻の真骨頂でした。

 刺身の盛り合わせも、5点(あとで数えると6点でした)どれもとても新鮮で、鰻だけではなく割烹にも力を入れておられるだけのことはありました。特に大ぶりの甘エビは、口の中であっというまにとろけていきました。

うなぎ定食(上)のうな重(左)と 刺身の盛り合わせ(右)
うなぎ定食(上)のうな重(左)と 刺身の盛り合わせ(右)

 女性陣も、思惑通り茶碗蒸しとデザートのメロンに大満足そうでした。私があまりにも物欲しそうな顔をしていたらしく、カミさんが一切れ恵んでくれましたが、これまた熟し加減がジャストミートのとても甘い完熟メロンでした。

うなぎ竹コース:うな重(左:上より少しだけ小ぶりです)、完熟メロン(右)
うなぎ竹コース:うな重(左:上より少しだけ小ぶりです)、完熟メロン(右)

5.おわりに

 以上が、相模原にある鰻の名店【三㐂】のご紹介になります。今回は運転手ということでノンアルコールビールで我慢しましたが、次回お伺いする時は、カミさんの実家に泊まる手筈を整えて、「千亀女」と共に(芋も麦も呑みたいです)、絶品鰻と、今回いただけなかった天ぷら、さらにはフグ鍋を味わってみたいと思います。

【三㐂】の店内装飾
【三㐂】の住所と電話番号
【三㐂】の住所と電話番号

6.【三㐂】の最新情報(2024年8月現在)

 先日ほぼ1年ぶりに、カミさんのおかあさんや兄弟たちと【三㐂】に行ってきました。残念ながら食材の高騰などにより少し値上げされていましたが、その値上げ幅は1年前に比べて、下記の通り最低限に抑えていただいていました。有難うございます。
 ・うな重(上):4200円 → 4400円
 ・うな丼:3850円 → 3950円 
   (価格は税込みです。)

 今回は、お昼メニューというのがあったので、それと普通のメニューとの違いと、うな重(上)とうな丼の違いを確かめてみたので、ご紹介したいと思います。

 お昼のメニューは、普段のメニューと価格は同じで、うな重(上)にはメロンが、うな丼にはポテトサラダがついていました(時期によって変わるかもしれません)。そしてうな重(上)とうな丼の違いは、もちろん器が違いますが、鰻の大きさはほぼ同じで、味も【三㐂】らしいふっくらとした絶品でした。ごちそうさまでした。

【三㐂】のうな重(上)(左)と うな丼(右)(縮尺はほぼ合わせています)
【三㐂】のうな重(上)(左)と うな丼(右)(縮尺はほぼ合わせています)