我がゴルフ人生(ゴルフ場倒産の足音が近づいてきました。【その2:施設編】)

2023年12月13日

1.はじめに

 前回【その1:スコアカード編】では、「太陽カントリークラブ:以下太陽CC」の倒産までのスコアカードの変遷をご紹介しましたが、今回は倒産が近づくにつれて起こったゴルフ場の施設の変化についてお話しします。

前回【その1:スコアカード編】
【その1:スコアカード編】

2.施設がだんだん消えていく

2-1)変化はトイレから始まる

 まず最初の変化は、トイレの小の便器が使用禁止になったことから始まりました。はじめのうちはたまたま壊れただけだろうと思っていましたが、いつまでたっても修理する気配はありませんでした。そうこうしているうちに、またひとつまたひとつと使用禁止が増えていきました。

使用禁止になったトイレ
使用禁止になったトイレのイメージ(パワポで作成)

2-2)次はお風呂の湯舟、蛇口、そして売店

 次の変化は、お風呂の湯舟です。窓からは富士山をながめることができるなかなか立派なお風呂で、もともと湯舟は2つありました。それがあるとき、湯舟の片方が使用禁止になりました。そのときは【あかねコース】が閉鎖になり、入場者が減ったので致し方なしとは思いました。

 ただ湯舟の片方に蓋(ふた)がされて使用できなくなっている光景は、2つの湯舟が大勢の人で溢れ返り、そこで皆が一日のラウンドを、タラればを交えながら語り合っていたころを知っているだけに、物さみしさを漂わせていました。

使用禁止になったお風呂の湯舟
使用禁止になったお風呂の湯舟のイメージ(パワポで作成)

 そしてお風呂の蛇口も、トイレと同様にひとつづつ使用禁止になっていきました。ただそれでも不便を感じなかったのは、それだけ入場者数が減っているということでした。

使用禁止になったお風呂の蛇口
使用禁止になったお風呂の蛇口のイメージ(パワポで作成)

 あの会員制のゴルフ場感を醸(かも)し出していたゴルフショップや売店の品数も、徐々に減っていきました。売り場を縮小しても品薄感は否めずに、閉店間際のお店そのものでした。

2-3)極めつきはレストラン

 富士山が臨める自慢のレストランも、徐々に閑散としていきました。お客さんの数は減り、それに伴い従業員の数が減り、最盛期は置き場が足らないほどだったウイスキーや焼酎のボトルキープの棚も、空きが目立つようになりました。

 料理の方も、味はまあまあで結構気に入っていると以前お話ししましたが、残念ながら確実に質、量ともに落ちていきました。そして極め付きは、注文したとんかつの大きさが、なんといつもの半分で出てきました。食材が足らなかったら、注文のときにひとこと言ってくれればいいのにと思いました。

 そしてその直後に、同伴のゴルフ仲間が奇声を発しました。なんと注文したラーメンが冷めた状態で出てきたようでした。こんな料理を出すようなっては、さすがに先は見えたと思いました。

驚くほど小さなとんかつ
驚くほど小さなとんかつのイメージ(パワポで作成)

2-4)コースも荒廃

 コースの方も、以前はキャディさんたちが朝早くからディボットを直してくれていましたが、それもいつのまにやらほったらかしになりました。それまでは不運にもディボットにボールが入ったときは、これも練習と頑張って打っていましたが、あまりのディボットの数に観念して、最後は6インチリプレースを適用していました。

 グリーンもひどい状態で、芝がほとんどついていない砂地状態に加え、グリーン面がでこぼこになっていました。ラインを読もうにも、まったくボールの行方は予測不能なぐらい、グリーンは荒れ果てていました。

凸凹のグリーン
凸凹のグリーンのイメージ(パワポで作成)

3.そして倒産

3-1)休業の連絡から

 東京地裁への破産手続き開始の申請が2012年9月7日に行われていたようですが、スコアカードを振り返ってみると私たちはそれを知らずに、同年9月29日にいつも通りラウンドしていました。

 その後「太陽CC」から、「しばらくの間休業」というレターが届いたり、会員による組織からの損害賠償訴訟の連絡が入ったりしましたが、最後は潮が引くように静かに幕を閉じました。そして翌年になり、経営と名前を変えた新しいゴルフ場から、しらっと会員権募集案内が届きました。

3-2)名前を変えて今も健在

 この少し前に「太陽CC」が倒産することを見越したわけではありませんが、厚木近郊のゴルフ場の会員権を購入していたので、新しく名前の変わったゴルフ場の会員権を購入することはありませんでした。

 経営と名前が変わっても【あかねコース】が閉鎖されている状態は変わらないので、本当に経営が成り立つのかと思いましたが、その後しばらくして大手ゴルフ場グループの一員になり、いまでも健在のようです。

3-3)一応元はとれた

 「太陽CC」では、会員として14年間、計221ラウンドしました。会員としての支出は、会員権の購入(138万円)と14年間の年会費(3万円/年)で、総額は180万円になります。

 それに対し、プレーフィーは土日休日でおおよそ会員(7,000円)、ビジター(18,000円)、その差額をラウンド数でかけると243万円になるので、まあ元は取れたのかなと思いました。

4.おわりに

 以上が「太陽CC」の倒産に至る過程での出来事のご紹介です。その後1回だけ旧「太陽CC」に行きましたが、全ホールOBをなくしてワンペナのみになっていたり、まったりさせてもらった売店が自動販売機に変わっていたりして、雰囲気は別のゴルフ場になっていました。

 この歳になると、コンペでもない限りわざわざ御殿場まで足を運ぶことがなく、最近は新型コロナの影響もあり、ほとんど厚木のホームコースばかりでラウンドしています。ただもう行くことはないであろう「太陽CC」で過ごした日々は、私のゴルフ人生の中のかけがえのない思い出であることには間違いありません。

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