鹿児島県NO.1の【濱田酒造】の新作「うかぜ」は、なぜか麦焼酎でした。

1.はじめに

 先日【セブンイレブン:以下セブン】に寄ったときに、なにげにお酒のコーナーをのぞいてみると、いつもの見慣れた銘柄に混ざって、春色の清々しいラベルを身にまとった見知らぬ銘柄が並んでいました。

「だいやめ」のご紹介
「だいやめ」のご紹介

 ボトルの裏ラベルを見てみると、なんと以前ご紹介した「だいやめ」の製造元である鹿児島県の中では焼酎の売上高 第1位、全国でも第4位(2022年焼酎メーカー売上高ランキング(帝国データバンク))の【濱田酒造株式会社:以下濱田酒造】が造っていました。

 その焼酎の銘柄は「うかぜ」で、昨年(2023年)9月に発売した【濱田酒造】の新作のようでした。悲しいかな歳のせいで、細かい文字の解読が不可能となっているので、その左右に置いてある見慣れた銘柄の流れと、製造元が【濱田酒造】ということで、「だいやめ」に続く新しい潮流系の芋焼酎と信じて「うかぜ」を購入しました。

【セブン】のお酒コーナーに並ぶ「うかぜ」
【セブン】のお酒コーナーに並ぶ「うかぜ」

 そして自宅に戻り、じっくりとラベルを見てみると、なんと「うかぜ」は麦焼酎であることが分かりました。ということで今回は、鹿児島県NO.1の【濱田酒造】が造る麦焼酎「うかぜ」をご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の確かな舌(?)と、【濱田酒造】のホームページなどを参考にして書いていることを、ご承知おきください。

2.「だいやめ」と同じ「傳藏院蔵(でんぞういんぐら)」

2-1)【濱田酒造】の3つ蔵

 前述の「だいやめ」のご紹介の中で、【濱田酒造】は下表の3つの特長の異なる酒蔵を有しているというお話をしました。

 その酒蔵の中で「うかぜ」は「だいやめ」と同じく、”革新の蔵” と位置付けられ、日々焼酎を進化させている「傳藏院蔵」で造られています。「うかぜ」は麦焼酎ですが、新しい潮流系の焼酎であることには間違いなさそうです。

濱田酒造の酒蔵と特徴

2-2)なぜ麦焼酎

 もともと【濱田酒造】は、「隠し蔵」などの麦焼酎を製造しており、国内外で高い評価を得ているようです。そして ”創業155周年を機に、焼酎王国鹿児島から新たな麦焼酎の風” というキャチコピーで「うがぜ」は発売されたようです。

 ではなぜ、この節目のタイミングで【濱田酒造】は麦焼酎を選んだかというと、そこには少し深刻なふたつの背景がありました。

 ひとつは、国内の焼酎市場の縮小です。少子高齢化や若者のお酒離れなどを背景に、市場の縮小が続いているのだそうです。私がいくらが毎晩頑張って呑んでも、それを食い止めることはできないようです。

 もうひとつは、ここ数年サツマイモの本場、鹿児島地方から全国に徐々に広がりつつある「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」です。現在、有効な農薬がなく、サツマイモの収穫量が3分の1になるほどのダメージをもたらしている病気で、サツマイモ農家とサツマイモ業界に大きな打撃を与えているようです。

 私はあいかわらずアンテナが低く気付きませんでしたが、この影響で、あの全国一の焼酎の売上高を誇る「黒霧島」などで有名な【霧島酒造株式会社】も、一部の商品の販売を休止していたようです。

 豊富な品数と在庫のお陰で、「〇〇霧島」シリーズが店頭から消えることはありませんでしたが、これはすべての芋焼酎に影響を及ぼすことになるので、芋焼酎を呑まないと体の機能が停止する私にとっては超一大事です。

 そんなふたつの背景から【濱田酒造】は麦焼酎を選び、まずは2023年2月に、若者をターゲットにした新感覚の香味が楽しめるボタニカル系麦焼酎「CHILL GREEN spicy & citrus」を発売し、そして同年9月に、日常的に麦焼酎を嗜む40代から50代前半の方々の定番酒を目指した本格麦焼酎「うかぜ」を発売したようです。

 なぜ【濱田酒造】が麦焼酎、と軽く考えてしまいましたが、そこには深刻な芋焼酎の事情がありました。

3.「うかぜ」を呑む

3-1)「うかぜ」とは

 「うかぜ」とは、鹿児島弁の「おおかぜ(大風)」から由来しています。焼酎王国である鹿児島から新しい “定番本格麦焼酎” の風を吹き起こす、麦焼酎市場に “大きな風を吹かせる” という想いが込められているのだそうです。

 個性豊かな4つの原酒を、【濱田酒造】の持つ1%単位の高度なブレンド技術により、スッキリとした味わいの中にも、ビスケットやパンを思わせる「甘芳ばしさ」と、麦本来の味わいを感じる麦焼酎に仕上げられているようです。

個性豊かな4つの原酒のイメージ(パワポで作成)
個性豊かな4つの原酒のイメージ(パワポで作成)

3-2)みごとなブレンド

 いよいよ「うがぜ」を、まずはストレートで呑んでみました。香りはそれほど強くはありませんが、基本は甘めの麦の香りなのですが、他にもいろいろな香りがじんわりと潜んでいるのを感じました。

 ビスケットやパンを思わせるような甘香ばしさとは、どんな味なんだろうと口に運んでみると、甘香ばしさは感じるものの、ビスケットやパンを思うまでには至りませんでした。舌の分解能が粗くてすいません。

壱岐焼酎「壱岐の島」のご紹介
壱岐焼酎「壱岐の島」のご紹介

 ただ、以前ご紹介した伝統の製法で造られる壱岐焼酎とは違い、またスッキリ系の大分焼酎とも違う、4つの原酒がみごとなハーモニーを奏でる新しい麦焼酎の味であることは、間違いありませんでした。

 この味であれば、私のような芋焼酎好きでも、あまり考えたくはありませんが、万が一芋焼酎が供給不足に陥っても、その代替えとして十分満足することができる焼酎で、【濱田酒造】の狙い通りの仕上がりでした。

 ロックでも呑んでみると、コクの中に少しキレが感じられるようになり、これなら定番の食中酒としても付き合っていけそうでした。

「うかぜ」のボトルとグラス
「うかぜ」のボトルとグラス

 

4.おわりに

 以上が、鹿児島県NO.1の【濱田酒造】の新作麦焼酎「うかぜ」のご紹介になります。若者のお酒離れや、さつまいも不足といった負の背景から造れた麦焼酎のようですが、4つの原酒をみごとにブレンドした、芋焼酎好きをも十分に満足させることができる本格麦焼酎でした。

 ただやはり一日も早く「サツマイモ基腐病」を撲滅し、芋焼酎の供給不足は回避しつつ、致し方なくではなく、ときには気分を変えて「うかぜ」を楽しむといった流れになってほしいと思います。

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