我が愛車ケンメリの仕様・装備をご紹介します。(その4:先進(?)仕様・装備編【後編】)

1.はじめに

 前回【前編】では、我が愛車ケンメリ(4代目スカイライン:GC110、マイナーチェンジ後なので正確にはGC111)の先進(?)仕様・装備の中の、運転するときに使うハンドルやスイッチ類の操作系をご紹介をしました。

ケンメリの仕様・装備(その3)
ケンメリの仕様・装備(その3)

 今回【後編】では、先進(?)仕様・装備の中のから、運転する前、停車しているときに使う仕様・装備などを中心にご紹介したいと思います。

 いずれの仕様・装備も、前回と同様に、もうこの頃からこんな装備が付いていたんだ、とか、青バッチの中の上のグレードの割には装備が充実している、などと感心していただけるのではないかと思います。

 なお各装備名称は、当時の取扱説明書やカタログに準拠しているので(取扱説明書とカタログの記載が異なる場合は取扱説明書を優先しています)、少し違和感のある部分もありますが、オリジナルに忠実にということで、ご了承いただけたらと思います。

2.室内から調整可能な フェンダー ミラー

 ケンメリはもちろんフェンダーミラーですが、なんと室内からリモートで調整することができます。今でいうリモコンミラーです。

 まだ黎明期で、ワイヤーを使った方式と、モーターを使った方式があり、ケンメリはより進んだ後者でした。ワイヤーを使った方式だと、どうしても微調整が難しいですが、ケンメリのモーターを使った方式は、かなり細かく調整することができ、いつもベストな視界を確保することができました。

 このころのフェンダーミラーは、同乗者にわざわざ外に出てもらって調整してもらうのが当り前で、窓ふきと同様にガソリンスタンドのサービスの定番にもなっていました。私はわざと同乗者に調整をお願し、フェンダーミラーのところに同乗者がいったところで、リモートでミラーを動かして驚かせるといったことをよくやっていました。小ネタでした。

 そのフェンダーミラーですが、今でも健在でフェンダーミラーの中でモーターが動く音がしています。ただミラーの動きはかなり鈍くなっているので、可能であれば分解掃除をしたほうがいいのかもしれません。

 ちなみに当時のカタログによると、このフェンダーミラーのデザインは扁平型タルボミラーといい、あのレーシングカーR382の経験の中から生まれたもののようです。すごいです。

室内のミラー調整ノブ(左)と 扁平型タルボミラー(右)
室内のミラー調整ノブ(左)と 扁平型タルボミラー(右)

3.トランク オープナー

ケンメリブログ(第一作目)
ケンメリブログ(第一作目)

 こちらは、ケンメリブログの記念すべき第一作目で登場したトランク オープナーです。そのブログの中でもお話ししましたが、帰省した私を迎えにきた親父が、得意満面で私を驚かせた装備です。誰もいないのに勝手にトランクが開いたので、本当にびっくりしました。

 このトランク オープナーは、トランクのヒンジのところに付けられたバネで開く仕組みで、運転席横のとってつけたようなレバーを引き、ワイヤーを介してフックを解除するとトランクを開きます。

 今のクルマのようにヒンジのところにダンパーなど付いていないので、開けたときにトランクリッドが何回かバウンドするところが、なんだか ”お帰りなさい” といわれているみたいで、とても人間味がありました。

 とってつけたようなレバーは、とってつけた割には手が届きやすく、使い勝手はよかったのですが、たまに友人が運転するときに、シートの調整をしようとして間違えてこのレバーを引き、トランクを開けてしまうことがありました。

 このときも、他の先進(?)仕様・装備同様で、まだ世の中にあまり出回っていないので、その友人は結構パニックに陥っていました。

トランクのフック(左上)と トランクオープナーのレバー(左下)と 全開のトランクリッド(右)
トランクのフック(左上)と トランクオープナーのレバー(左下)と 全開のトランクリッド(右)

4.昼夜切替式ルーム ミラー

 つぎは、昼夜切替式ルーム ミラーです。今ではワンタッチ切替式が当たり前、もっといえば自動で調整してくれるものもありますが、ケンメリは、ルーム ミラーの下に付いているレバーをぐるりと回して切り替える方式でした。

 ケンメリを含め当時のクルマは、車検のとき剥がすことを覚悟して自分でフィルムを貼らない限り、スモークガラスの仕様にはできないため、ダイレクトに照りつけてくる後続車のヘッドライトがかなりまぶしく、結構重宝した装備でした。

 前述の通りレバーを回す方式だったので、少し切り替えは面倒くさかったのですが、逆に微調整ができて使い勝手はまあまあでした。

ルームミラー(上)と レバーの 昼の位置(左下)と 夜の位置(右下)
ルームミラー(上)と レバーの 昼の位置(左下)と 夜の位置(右下)

5.シート ベルト ワーニング ランプ

 ケンメリには、シート ベルト ワーニング ランプが、スピードメーターの中に付いており、IGN ONのときにシートベルトをしていないと、もしくはシートベルトを途中で外すと、20秒間警告灯が点滅します(運転席のみですが)。

 シートベルトは、1969年にクルマへの設置が義務化(運転席のみ)、1985年に前席の着用が義務化(高速道路、自動車専用道路のみ、一般道は1992年から)、そして2008年には後席も着用が義務化されており、今のクルマはどこの席に座ろうが、シートベルトを着用していないとブザーが鳴り響きます。

 ケンメリが発売されたのは1972年、我が愛車ケンメリはモデル末期で1977年に親父が購入しており、シートベルトの設置は義務化されていましたが、着用は各自に委ねられていた時代でした。そんな時代でも、ケンメリには人の命を守るシートベルトの着用を促進するシート ベルト ワーニング ランプが付いていました。なかなか志の高い設計です。

シート ベルト ワーニング ランプ 消灯(左)、点灯(右)
シート ベルト ワーニング ランプ 消灯(左)、点灯(右)

6.おわりに

 以上が、【前編】【後編】の2回に渡る、我が愛車ケンメリの先進(?)仕様・装備のご紹介になります。今のクルマにとっては当り前の仕様・装備ばかりだったかもしれませんですが、当時のクルマとしては、本当に一歩先を行く先進(?)仕様・装備だったのではないかと思います。

 一時期、日本初、世界初などという冠を付けた先進技術が、競い合うように世に送りだされましたが、大半は姿を消していっています、そんな中で、このケンメリの先進(?)仕様・装備は、今でも正常進化して残っているものばかりです。これはケンメリが、乗る人のことを本当によく考えて造られたクルマだったからこそだと思います。

 次回は、今でも我が愛車ケンメリに付いている、ディーラーオプションや、アフターマーケット品などの装備類をご紹介したいと思います。

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 我が愛車ケンメリとの様々なエピソードや、私の記憶の中にしっかりと刻まれている数々の往年の名車たちをご紹介していますので、ぜひご覧になってください。

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