我が青春を彩ったクルマたち:番外14(いすゞの名車:ベレット編【前編】:時代の先をいく革命児でした。)

1.はじめに

 これまでに、友人がのっていた「初代ジェミニ」や、兄貴がのっていた「117クーペ」、そしてその兄弟車である「フローリアン」などの、いすゞの名車たちをご紹介してきました。

いすゞの名車たちのご紹介ブログ入口
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 ここであらためていすゞをご紹介をすると、前身は東京自動車工業(途中でチ”ーゼル工業に改名)で、戦前、戦中とトラックやバスを製造してきました。

 そして戦後となり、1949年にいすゞ自動車に改名し、総合自動車メーカーとして名乗りを上げました。

 まずは、日産などの他の国内自動車メーカーと同様に、海外の自動車メーカーと技術提携をおこないました。選んだ先は英国のルーツグループで、小型乗用車「ヒルマン ミンクス」のノックダウン生産から始めました。

 「ヒルマン ミンクス」は2代続きましたが、その後継として、それまでの技術提携を通して蓄積したノウハウを駆使して、いすずで自社開発された「ベレル」が、1962年4月に発売されました。

「ベレル」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー):画像をクリックすると「ベレル」関連ブログに飛びます。
「ベレル」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー):画像をクリックすると「ベレル」関連ブログに飛びます。

 そしてその翌年の1963年11月に、「ベレル」より小さい大衆車クラスの「ベレット」が発売されました。「ベレット」という名前は、「ベレル」の小型版という意味なのだそうです。ちなみに両者の ”ベレ” は、いすゞ(五十鈴)の鈴(ベル)からとっているようです。

 「ベレット」は、私が幼稚園(正確には保育園)から小学校に通っていた時期に販売されていましたが、そのブルドッグのような愛嬌のあるルックスは、カッコよかったかどうかは別にして、そのとても印象に残っています。

 ということで今回から【前編】【後編】の2回に渡り、その「ベレット」をご紹介したいと思います。今回【前編】では、「ベレット」の商品概要を中心にご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の少年時代のつたない記憶と、定期購読誌「国産名車コレクション」、「名車文化研究所」や自動車メーカーなどのサイト、を参考にして書いていることをご承知おきください。

2.革命児

 「ベレット」は発売当初は、2ドアと4ドアのセダンのみの設定でした。駆動方式は当時主流だったFR(Front engine Rear drive)方式で、1.5リッターの直列4気筒OHV(Over Head Valve)のガソリンエンジンと、1.8リッターの直列4気筒のディーゼルエンジンがラインアップされていました。

 このクラスのクルマに、ディーゼルエンジンがラインアップされていたのは、さすがいすゞらしいです。

 当時はまだめずらしかったモノコックボディや、応答性のいいラック&ピニオンステアリング、操安性に優れる前輪ダブルウイッシュボーン、後輪ダイアゴナルススイングアクスルの四輪独立懸架など、先進性に富んだメカニズムがおしみなく採用されており、革命児と呼ばれていたそうです。

 いすゞの意欲作でした。

 そして1964年4月に、1.6リッター直列4気筒OHVエンジンをSUツインキャブで武装した、のちに “ベレG" の愛称で親しまれる2ドアクーペの「ベレット1600GT」が投入されました。

 「ベレット1600GT」にはさらに国産初(ほぼ同時期に「スカイラインGT」、「コンテッサ1300クーペ」なども採用)の前輪ディスクブレーキが採用されていました。ちなみに国産初の4輪ディスクブレーキが採用されたのは、1967年5月に発売された「トヨタ2000GT」でした。さすがです。

「ベレット」の4ドアセダン(左)と 2ドアクーペ(右)の外観イメージ
「ベレット」の4ドアセダン(左)と 2ドアクーペ(右)の外観イメージ

3.手造り

 1967年9月のマイナーチェンジで、「ベレット1600GT」をベースにCピラー周りをさらに傾斜させた「ベレット1600GTファストバック」が追加されました。2ドアクーペをベースに手造りで仕上げられた、受注生産のスペシャルモデルでした。

「ベレット1600GTファストバック」の外観イメージ
「ベレット1600GTファストバック」の外観イメージ

 初期の「117クーペ」が手造りだったことは有名ですが、その発売は1968年12月で「ベレット1600GTファストバック」より1年以上も後となります。

「初代カローラ」
のご紹介ブログ
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「初代サニー」
のご紹介ブログ
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 「117クーペ」は巨匠ジウジアーロ(当時はギア社のチーフデザイナー)の造りだした流麗なフォルムを実現するために手造りにぜざるおえなかったようですが、どうやらいすゞにはその前から手造りの土壌があったようでした。

 この時代はファストバックスタイルが流行っており、同時期に発売された日産の「初代サニー」やトヨタの「初代カローラ」のクーペもファストバックスタイルでした。

「初代カローラ クーペ(左)」と「初代サニークーペ(右)」のイメージ
「初代カローラ クーペ(左)」と「初代サニークーペ(右)」のイメージ
「ファミリアロータリークーペ」のご紹介ブログ
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 その中でも「ファミリア ロータリー クーペ」のリアスタイルは、「ベレット1600GTファストバック」と瓜二つで、リアコンビランプの丸の数が違うぐらいでした(当時の少年の感想です)。

 「ファミリア ロータリー クーペ」の発売は1968年7月、発表は1967年10月に開催された第14回東京モータショー、「ベレット1600GTファストバック」の発表はその1年前の1966年10月に開催された第13回東京モーターショーとなるので、真似をしたとすれば「ファミリア ロータリー クーペ」となります。

「ファミリア ロータリー クーペ」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー)
「ファミリア ロータリー クーペ」の外観(国産名車コレクション付録ミニカー)

4.各車の主要諸元

 「ベレット」の各車型の主要諸元を下表にしまします。セダン、クーペ、ファストバックともに全長と全幅は同じですが、全高がクーペ、ファストバックの方が低くなっています。

 クーペの全高とエンジン出力/トルクは、ファストバックが追加されたタイミングでファストバックと同じ数値となり、性能の向上が図られました。

5.おわりに

 以上が、いすゞ「ベレット」の車両概要のご紹介となります。その存在は、時代の先をいく先進技術がおしみなくつぎ込まれた革命児でした。

 次回【後編】では、「スカイライン」と競い合った日本初の[GT]についてのお話しを中心にご紹介したいと思います。

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