いまでは幻の銘酒となってしまった鹿児島限定のがっつり骨太の薩摩焼酎「アサヒ」を呑んでみました。

1.はじめに

 以前、いつも閉店間際の割引でお世話になっている、横浜高島屋の九州物産展の焼酎直売コーナーで、蔵元の方から一押しとすすめられた芋焼酎「莞爾(かんじ)」をご紹介しました。そして、その蔵人全員で丹精込めて仕込んだ、手造り甕仕込みの芋焼酎の味は格別でした。

「莞爾」のご紹介ブログ
「莞爾」のご紹介ブログ

 先日また横浜高島屋の九州物産展が開催されているということで、ふたたびめずらしい芋焼酎に出会えないかと、焼酎直売コーナーに直行しました。

 前回同様に、本格的に試飲できる(普通に呑める)カウンターが設けてあり(さらにテーブルまで追加されていました)、そこでまるで居酒屋の女将さんのように立ち振る舞っている店員の方に、おすすめの芋焼酎をたずねてみました。

ずらりと並んだめずらしい焼酎たち
ずらりと並んだめずらしい焼酎たち

 このコーナーに並んでいる芋焼酎は、ほとんどが鹿児島の限定品で、こちらではなかなか入手できないものがほとんどですが、とにかく芋っぽいのが好みと女将さん(?)に伝えると、その中から「アサヒ」と「伊佐錦 鬼武蔵」をすすめてくれました。

「アサヒ」と「伊佐錦 鬼武蔵」の鹿児島限定の証
「アサヒ」と「伊佐錦 鬼武蔵」の鹿児島限定の証

 どちらも鹿児島限定で、はじめてお目にかかる銘柄だったので、思い切って両方とも購入することにしました。

 ということで今回は、その中からまずは「アサヒ」と、その製造元である【日當山醸造株式会社:以下日當山醸造】をご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の確かな舌(?)と、【日當山醸造】のホームページなどを参考にして書いていることを、ご承知おきください。

2.【日當山醸造】のご紹介

 【日當山醸造】は大正9年(1920年)に鹿児島県の霧島の地で、十数名の有志により創業しました。創業以来、その製造技術は引き継がれ、特選された主原料と、大自然の霧島山系より湧き出る清麗な湧水を使用し、麹造りから熟成まで真心を注ぎ込み、本格焼酎の旨さを追求し続けてこられました。

 【日當山醸造】は6名ほどの小さな焼酎蔵として営まれてきましたが、後継者不足などの事情で2022年には、酒蔵に特化した事業承継プラットフォームである【株式会社日本キャピタル:以下日本キャピタル】に事業は継承され、同社の社長である田中文悟氏が【日當山醸造】の社長に就任されました。

 田中文悟氏は、”街から酒蔵の灯を消さない。酒造りは街造りである” という信念のもとで、【日當山醸造】の事業再建に取り組んでこられましたが、今年(2026年)の4月に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

 その訃報受けたあとも、事業継続に向けた調整が進められたようですが、残念ながら廃業に至ってしまいました。同蔵の焼酎は、まだ一部のオンラインショップなどで購入できるようですが、在庫がなくなり次第販売は終了となります。

3.「アサヒ」を呑む

3‐1)代表銘柄

 「アサヒ」は【日當山醸造】の代表銘柄で、明治天皇の御歌 ”立ち上る朝日の如く、さわやかに もたまほしきは 心なりけり” から命名された、創業以来造り続けられている伝統の味となります。

 「アサヒ」を呑んで、心をいつも清く明るく持ちましょう、という意味が込められているようです。コクとキレを持ち合わせる骨太の味わいと、薫る甘味の本格焼酎に仕上げられているようです。

3‐2)骨太の味

 開栓するとすぐに、ずっしりとした芋の香りが漂いました。

 まずはストレートで口に運ぶと、芋の甘味が先に感じされ、そのあとでずっしりとした芋の旨味が押し寄せてきました。

 ただ、よくあるど芋系の芋臭くずっしりとくるだけではなく、なかなかコクとキレがあり、意外と呑みやすい(そうはいってもずっしりくる芋焼酎なので、焼酎初心者向きではありません)、でも味わい深い芋焼酎だと思いました。

 さすが創業以来造り続け、地元の方々に愛され続け、そして呑み続けられている、長年に渡り変わることのない骨太の芋焼酎でした。

 そのあとでロックで呑んでみましたが、その甘味と旨味は変わることなく、やはり骨太の味でした。

「アサヒ」のボトルとグラス
「アサヒ」のボトルとグラス

4.おわりに

 以上が、【日當山醸造】の代表銘柄で、明治天皇の御歌 ”立ち上る朝日の如く、さわやかに もたまほしきは 心なりけり” から命名された「アサヒ」のご紹介となります。

 その味は、ずっしりしつつも甘味と旨味が感じられつつ、しっかりとコクとキレもある、さすが創業以来造り続けられている骨太の味でした。

 前述の通り【日當山醸造】は、社長の急逝により現在廃業となっているので、もうこの味を楽しめるのは在庫限りです。まさにこれから幻になるであろう銘酒に巡り合えたことに感謝するとともに、もう吞むことができないと思うと、とても残念な気持ちになります。

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