伝承の大甕仕込みを守り抜く老舗酒蔵が造る「かね京かんろ」を呑んでみました。
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1.はじめに
今まで何度か【久世福商店】でみつけた、めずらしい焼酎をご紹介してきました。以前もお話ししましたが、【久世福商店】では、品数はそれほどではありませんが(お店によるようです)、普段あまりみかけないお酒に出会うことができます。
先日久しぶりに【久世福商店】にお伺いし、めずらしい焼酎を物色していると、以前ご紹介した我が家のハウス焼酎「黒伊佐錦」の上級バージョン(3割ほど高価になります)にあたる「甕伊佐錦」の隣りに、その「甕伊佐錦」とほぼ同じ価格で化粧箱入りの「かね京かんろ」という、はじめてお目にかかる芋焼酎がおいてありました。
化粧箱入りで、手間ひまかけた甕壺仕込みということで、多少高くでもそれ以上の価値が感じられたので、ちょっとだけ迷いましたが、この「かめ京かんろ」を購入することにしました。
ということで今回は、甕壺仕込みの芋焼酎「かね京かんろ」と、その製造元である【京屋酒造有限会社:以下京屋酒造】をご紹介したいと思います。
なお本ブログは、私の確かな舌(?)と、【京屋酒造】のホームページなどを参考にして書いていることを、ご承知おきください。
2.【京屋酒造】のご紹介
2‐1)伝承の大甕

【京屋酒造】の創業は、天保五年(1834年)と古く、伝統・伝承を重んじながらも新しい味に挑戦されている、宮崎県日南市に位置する老舗の酒蔵です。
特に伝承の大甕を使い、麹と酵母という自然界の中の生命体と対話しながら、代々受け継いだ伝統の技で、手間ひまかけてじっくりと仕込みをおこなっておられます。
大甕の容量は800リットルで、大甕といっても現在ではむしろ小さい部類に入りますが、蔵の入口に近いの甕は土の中に深く埋めるなどの考慮をすることで、外気の影響を最小限に抑えつつ自然発酵が促進され、焼酎本来の風味を引き出すことができるようです。
さすが伝承の大甕です。
2‐2)材料と水は自然の恵み
材料となる「甘藷」や「あいがも米」は、農薬を使わない有機肥料を用いて栽培されており、使用する水も、すべて飫肥杉(おびすぎ)が茂る森の奥からこんこんと湧き出る天然水となっています。
ちなみに飫肥杉とは【京屋酒造】の地元、日南市付近で多く育成されている杉で、フェニックス、山桜とともに宮崎県の “県の木" にも指定されているのだそうです。
2‐3)ジンにも挑戦
【京屋酒造】では焼酎造りで培った伝統の技で、2017年からジン造りに挑戦されています。
常圧・減圧の異なる蒸留方法や、芋・麦・米などなど、といった様々な原料を使ったお酒造りができる日本の焼酎蔵は、世界的にみると特異(いい意味です)のようです。
同社社長によると、その特異性を活かしたお酒造りに、これからも挑戦されていくということで、将来、芋100%のジンを造ろうとされているようです。
出来上がったら、ぜひ呑んでみたいと思います。
3.「かね京かんろ」を呑む
3‐1)「かね京かんろ」とは
「かね京かんろ」は【京屋酒造】の代表銘柄で、伝承の大甕で仕込んだ本格芋焼酎となります。甘藷(紅芋)を黒麹で仕込むことによる深い味わいと、低温蒸留(減圧蒸留)による豊潤でやさしい味わいが特徴で、飲み口はスッキリで、飲んだあとには、ほのかなコクが余韻を楽しませてくれるようです。
3‐2)大甕仕込みの繊細な味
そしていよいよ「かね京かんろ」を呑んでみました。香りはそれほど強くなく、低温蒸留らしい澄み切った香りでした。
味は黒麹らしく、最初はキリっとした味わいですが、そのあと柔らかいコクで舌を包み込んでくれるという、大甕で時間をかけて丁寧に仕込んだ、たしかに豊潤でやさしく、しかもなかなか繊細な味でした。
「かね京かんろ」は、みんなでワイワイと盛り上がりながら呑むというよりは、少し高級な和食店のカウンターで、旬な肴をひとりでつまみながら、じっくりと味を楽しむといった大人の芋焼酎でした。ちょっと(ほんの少し)高かっただけのことはあります。


4.おわりに
以上が、甕壺仕込みの芋焼酎「かね京かんろ」と、その製造元である【京屋酒造】のご紹介になります。
伝承の大甕を使い、麹と酵母という自然界の中の生命体と対話しながら、代々受け継いだ伝統の技で、手間ひまかけてじっくりと仕込まれた「かね京かんろ」は、なかなか繊細な味のちょっと大人の芋焼酎でした。
さすが【久世福商店】の選焼酎眼(?)は、たいしたものです。またお伺いします。
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