八海山 本格米焼酎 黄麹三段仕込「よろしく千萬あるべし」を呑んでみました。
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1.はじめに
先日たまたま近所のスーパーのお酒売り場で、あまり見慣れない焼酎を見つけました。
ラベルには ”八海山 本格米焼酎 黄麹三段仕込 「よろしく千萬あるべし」" と書かれており、ちょっと手に取って(入口で手指消毒はちゃんとやっています)見てみると、なんとあの日本酒の「八海山」を製造している【八海醸造株式会社:以下八海醸造】が製造元となっていました。
日本酒の製造元で造る黄麹三段仕込の本格米焼酎とは、いったいどんな仕上がりになっているのかとても興味がわき、価格も1000円ちょっとだったので、試しに買ってみることにしました。
ということで今回は、本格米焼酎「よろしく千萬あるべし」と、その製造元である【八海醸造】をご紹介したいと思います。
なお本ブログは、私の確かな舌(?)と、【八海醸造】のホームページなどを参考にして書いていることを、ご承知おきください。
2.【八海醸造】のご紹介
2-1)新潟の代表格
【八海醸造】の代表銘柄「八海山」は、【朝日酒造株式会社:以下朝日酒造】の代表銘柄「久保田」とともに、酒どころ新潟を代表する日本酒です。学生時代に日本酒での苦い過去のある私でもよく知っている銘柄で、最近はたまに口にさせていただいています。歳とともに苦い過去は薄れていきました。
酒どころ新潟には89もの日本酒の製造元があり(2024年時点:帝国データバンク)、その中でも【八海醸造】と【朝日酒造】は、全国売上ランキングでも、兵庫や京都の大手日本酒製造メーカーに続いてトップテン付近に位置しています。
2-2)苦難を乗り越えて
【八海醸造】は、越後三山(八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳)の麓の南魚沼の地で、大正11年(1922年)に創業しました。「八海山」という名は、越後三山の中の八海山に由来しています。
現在では【八海醸造】の年間生産量は2万石(1石は一升瓶100本分)にのぼりますが、創業当初は300石程度の家族経営の小さな酒蔵でした。
創業からたった数年でその経営は行き詰まってしまいましたが、昭和6年(1931年)に起死回生を図るべく、あらたな酒蔵を造りました。その後も “小さな酒蔵は良い酒を造る以外に生きる道はない" という伝統を守り続け、次第に新潟では名が通るようになっていきました。
そして戦後の農地解放により【八海醸造】のある南魚沼の地は、あのブランド米のコシヒカリの一大産地となりましたが、「八海山」は、そのコシヒカリとともに、全国からその名が認められる銘柄となりました。
2-3)多角的に事業を拡大
その後【八海醸造】は順調に生産量を増やし、平成2年(1990年)からは高級酒(吟醸酒)の製造を開始、平成7年(1995年)からはアメリカへの輸出を開始、平成10年(1998年)には関連会社での地ビールの製造を開始しました。
その後も事業の拡大は多角的に進められ、平成20年(2008年)に今回ご紹介している本格米焼酎「よろしく千萬あるべし」、そして今年(2025年)の4月からは、なんと米から造られる「Hakkaisan シングルグレーン 魚沼8年 ライスウイスキー 2025LIMITED」が発売されました。
ただこのウイスキーは残念ながら数量限定の抽選販売で、しかも価格は13,200 円(税込み)のようです。ちょっと高嶺の花のようです。
3.「よろしく千萬あるべし」を呑む
3-1)「よろしく千萬あるべし」とは
「よろしく千萬あるべし」は、「八海山」の醸造技術を取り入れて、清酒酵母と黄麹を使用した三段仕込で、きめ細かく醪(もろみ)を管理して造られています。醪の発酵の途中で清酒粕を加えることで、ほのかに吟醸酒を思わせる香りの醪が出来上がるようです。

醪の蒸留は減圧蒸留で雑味を取り除いて行われ、その後2年以上貯蔵することで、落ち着いた品格のある味に仕上げられています。
ちなみに「よろしく千萬あるべし」とは、中国の古くから使われる吉語で「宜有千萬」と書き、”限りなく多くの福が得られるように” という意味なのだそうです。
3-2)三段仕込とは
前述の三段仕込とは、日本酒の仕込みでよく用いられる手法で、日本酒の土台となる酒母(しゅぼ)から醪を造る際に、水、麹、蒸米を別々に仕込むという手間のかかる手法です。
水、麹、蒸米一度に仕込むと、醪を腐敗させる雑菌が入る可能性があるので、その雑菌に対する醪の免疫力を少しづつ高めながら行っていくようです。なかなか奥が深いです。
3-3)吟醸酒のような米焼酎
いよいよ「よろしく千萬あるべし」を呑んでみました。グラスに注いでまず最初に感じたのは、その透き通った色でした。それはまるで霊峰八海山の伏流水「雷電様の清水」を思わせるような透明感でした。
まずはストレートで呑んでみると、米焼酎によくあるちょっとツンとした感じが前面にでることはなく、とても丁寧に仕込んだ柔らく芳醇な、吟醸酒を思わせるような味でした。
次にロックで呑んでみると、味はほとんどかわらず少しだけ甘味が増した感じがしました。ただせっかくなら元来の味を堪能するためにも、ストレートでじっくりと呑むのがいいのかなと思いました。
さすが日本酒の製造元【八海醸造】が、日本酒の醸造技術をおしみなく注ぎ込んで仕込んだ米焼酎です。同じく日本酒の製造元で造られた米焼酎でも、「獺祭焼酎」のような煌びやかな味ではなく、あくまで落ち着きがある越後の老舗酒蔵の味でした。


4.おわりに
以上が、越後の老舗酒蔵【八海醸造】が、日本酒「八海山」の醸造技術を取り入れて丁寧に仕込んだ米焼酎「よろしく千萬あるべし」のご紹介となります。
その味は、今まで呑んだ米焼酎とくらべると、柔らかくて芳醇な、とても落ち着きのある味でした。雪深い越後、八海山の麓で雪見酒、ではなく「よろしく千萬あるべし」で、月明かりに照らされた雪化粧の八海山をながめながら、雪見焼酎を楽しんでみたくなりました。
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