相模原の鰻の名店【三㐂(みき)】に並んでいた芋焼酎「千亀女」をようやく呑むことができました。

1.はじめに

 以前ご紹介した相模原の鰻の名店【三㐂】の店内で、あまりみかけない「千亀女(せんがめじょ)」という焼酎がおいてあったというお話をしました。そのときは運転手だったので我慢しましたが、ラックにずらりと並んだ「千亀女」の雄姿が、ずっと気になっていました。

ずらりと並ぶ「千亀女」
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「伊佐小町」のご紹介ブログ
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【三㐂】のご紹介ブログ
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 そして以前ご紹介した、我が家のハウス焼酎「黒伊佐錦」の妹分である「伊佐小町」の中でお話しした、お酒のテーマパーク【リカーランドトップ】で、なんと「千亀女」の芋と麦がおいてあるのを見つけたので、まずは芋の方を購入しました。

 ということで今回は、ずっと気になっていた焼酎「千亀女」の芋と、ぞの製造元である【若潮酒造株式会社:以下若潮酒造】をご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の確かな舌(?)と、【若潮酒造】のホームページなどを参考にして書いていることを、ご承知おきください。

2.【若潮酒造】のご紹介

2-1)5つの蔵が集結

 【若潮酒造】は、昭和43年(1968年)に、鹿児島東部の志布志にある5つの酒蔵が協業する【若潮酒造協同組合】として創業し、公募で募った「若潮」を名前に付けた統一銘柄「さつま若潮」の製造を開始しました。その後平成20年(2008年)に、協同組合を改め株式会社となり、現在に至っておられます。

 創業以来、志布志の地元の皆さんの生活をより豊かなものにするために、地元の皆さんが日常的に呑む焼酎を造り続けることを、同藏の誇りと責任とされているようです。

2-2)2つの蔵

 【若潮酒造】には、2つの特長の異なる蔵があります。

 ひとつは、前述の創業以来続く地元の皆さんに愛される日常酒を造りつつ、一方で原料の個性を引き出した新しい酒質造りもおこなっている「志燦蔵(しさんぐら)」です。こちらでは【若潮酒造】の代表銘柄となる[さつま若潮]や、新たな試みの焼酎「GLOW」などを造っておられます。

 もうひとつは、平成15年(2003年)に完成した木樽蒸留器を用いた伝統の焼酎造りを継承しつつ、その木樽蒸留器を使った新たな挑戦も続けている「千刻蔵(せんごくくら)」です。

 製造キャパシティは、大型設備を有する「志燦蔵」の1/30程度となりますが、伝統を継承しつつも、小仕込みの特性を活かして、今回ご紹介している「千亀女」に加えて、世界唯一の木樽蒸留器製のジン「424GIN」を造っておられます。

3.「千亀女」を呑む

3-1)「千亀女」とは

魅惑の「千亀女」のイメージ
魅惑の「千亀女」のイメージ

 「千亀女」という名前は、昔話に出てくるとても美人な娘さんの名前からとったようです。その娘さんは【若潮酒造】のある志布志の地に住んでおり、その美しさを一目見ようと、多くの人が集まったのだそうです。

 それからしばらくして、「千亀女」よりもさらに美しい観音様がお寺に迎えられ、「千亀女」は2番目に美しいことになってしまい、とても悲しまれたようです。

 それを見た母親が、なんと観音様のお顔を燻して煤(すす)で黒くしまいました。するとそのあとで「千亀女」の顔が煤だらけになってしまい、2度と落ちることはなかったという、なんとも悲しいお話しのようです。日本の昔話には(グリム童話などもそうですが)、このようなけっこう残酷なお話が、よく出てきます。

 後半の悲しいお話しはおいといて、この「千亀女」という名前は、多くの人を惹きつけるという意味が込められているのでは、と察しました。

 この「千亀女」と名付けられた焼酎は、前述の通り「千刻蔵」で伝統的な壺仕込みと木樽蒸留器で、黄金千貫を黒麹で丹念に仕込んで造られています。ほのかに杉が香る味わい深さに加え、貯蔵酒とブレンドすることで、コクのあるまろやかな口当たりとなっているようです。楽しみです。

3-2)魅惑の「千亀女」

 いよいよ「千亀女」を呑んでみました。開栓するとその香りは、とてもふくよかで芋らしいずっしりとした香りでした。そして口に運んでみると、まずなんとも魅惑的な甘さを感じました。そしてそのあとから舌にキリっと感じ、さらにそのあとから芳醇なコクが口の中に広がり、最後にそれらの味がみごとに融合してゆっくりとのど元を通過しました。

 これこそが少量甕仕込みならではの繊細な味で、口の中で絶妙に変化する味を楽しむ通の焼酎でした。「千亀女」は、【若潮酒造】が創業以来造り続けている地元の方々が日常的に呑む焼酎ではなく、たまにはこんな絶世の美女と浮気するのもいいのでは、と造り込んだ焼酎なのかもしれません。

 ただ昔は “浮気も男の甲斐性のうち" などと世間は大目に見てくれましたが、今はちょっとしたことでもSNSで大騒ぎになるので、浮気はあくまで焼酎の世界の中に留めていくことをお勧めします。

 ロックで呑むと、より甘さがまし少しマイルドになりますが、せっかくの繊細な味が薄れてしまうので、怪我をしない範囲でストレートで楽しむのがいいのではと思います。

「千亀女」のボトルとグラス
「千亀女」のボトルとグラス

4.おわりに

 以上が、相模原の鰻の名店【三㐂】に並んでいた芋焼酎「千亀女」のご紹介です。その味は、伝統的な壺仕込みと木樽蒸留器で、黄金千貫を黒麹で丹念に仕込んで造られた魅惑の味でした。

 【三㐂】の店主は、おそらくお客さまに、絶品の鰻が焼きあがるまでの時間を(そこそこかかります)、鰻の骨などの軽いおつまみとともに「千亀女」の魅惑の味に酔いしれて過ごしてもらおうと、この「千亀女」を選んだのではないかと思いました。

 そしてこの「千亀女」を選んだ(探してきた)店主は、相当な焼酎通にちがいありません。

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