我が青春を彩ったクルマたち:その9(3代目サニー編【前編】:まるでサンダーバード2号みたいでした。)

1.はじめに

 (番外3)(番外4)で、「初代 サニー:B10」と「初代カローラ:E10」をご紹介をしましたが、この両車はその後も激しく鎬を削り、国内の大衆車市場をけん引してきました。

(番外4)初代サニー&カローラのご紹介ブログ【後編】
(番外4)初代サニー&カローラのご紹介ブログ【後編】
(番外3)初代サニー&カローラのご紹介ブログ【前編】
(番外3)初代サニー&カローラのご紹介ブログ【前編】

 私の学生時代は、この両車は、ちょうど3代目から4代目にモデルチェンジされたころで、3代目の中古車が潤沢に出回っており、けっこうな数の友人たちが「3代目サニー:B210」と「3代目カローラ:E30/50」に乗っていました。

 ということで今回から【前編】【中編】【後編】の3回に渡り、「3代目サニー」の車両概要と、「3代目サニー」に乗っていた3人の友人と、その愛車とのエピソードをご紹介したいと思います。

 今回【前編】では、まずは「3代目サニー」がどんなクルマだったのか、その車両概要をご紹介したいと思います。

 なお本ブログは、私の学生時代のつたない記憶と、定期購読誌「国産名車コレクション」、「名車文化研究所」や自動車メーカーなどのサイト、を参考にして書いていることをご承知おきください。

2.「3代目サニー」とは

2‐1)癒されるセダン

 「3代目サニー」は、1973年5月にデビューしました。初代、2代目と直線基調のクリーンなエクステリアデザインが踏襲されましたが、この「3代目サニー」は丸みを帯びたふくよかなエクステリアデザインで、今までとは少しイメージが違いました。

 ボディタイプはセダン、クーペ、バンの3車型で、当時の広告などによると、一応若者受けするダイナミックでスポーティなデザインということのようでしたが、私の眼には、とてもそのようには映りませんでした。

 特にセダン、その中でもブラウンメタリックのボディカラーのクルマはまるでカピバラのようで、見ているだけでなんとも癒されるデザインでした。

「2代目サニー」の4ドアセダンの外観イメージ(パワポで作成)
「2代目サニー」の4ドアセダンの外観イメージ(パワポで作成)
「サニーちゃん」のイメージ(パワポで作成)
「サニーちゃん」のイメージ(パワポで作成)

 TVCMにも、先代の「2代目サニー:B210 以下先代」の後半から登場した「サニーちゃん」というマスコットキャラクターを前面に出し、なんともほのぼのとした空気感を漂わせていました。ちょうど排ガス規制が厳しくなり、環境へのやさしさをアピールする時代に移行しつつあったようです。

 搭載されたエンジンは、先代と同様に1.2リッターと1.4リッターの2本立てで、1.4リッターにはエクセレントというサブグレードネームが与えられ、ワンランク上のグレードであることを誇示しようとしていました。

2‐2)走りのクーペ

「2代目サニー」クーペのご紹介ブログ
「2代目サニー」クーペ
のご紹介ブログ

 先代の1.2リッターのクーペは、名機といわれるA12型エンジンをツインキャブレターで武装し、そのクリーンなエクステリアデザインと、1.2リッターとは思えないほどシャープな走りで、当時の若者の間では、新車、中古車ともに大人気モデルとなりました。

 以前のブログで少しご紹介しましたが、我が愛車「ケンメリ:4代目スカイライン(マイナーチェンジ後なのでGC111)」を親父から譲り受けることが決まる前は、私もこの先代のクーペの購入を真剣に考えていました。

 そして「3代目サニー」にもクーペは設定され、先代と同様にスポーティグレードには[GX]の称号が与えられました。エンジンも先代と同様に、A12型とL14型のエンジンが搭載され、どちらもツインキャブレターで武装された高性能エンジンでした。

 ただ、排気量が小さく、エンジンの構造もOHVで旧態依然としたA12型のほうが、吹き上がりがスムーズでスポーティな走りを楽しむことができ、日産がオースチン社から学んで開発したA型エンジンの素性の良さが光りました。

「3代目サニー」のクーペの外観イメージ(パワポで作成)
「3代目サニー」のクーペの外観イメージ(パワポで作成)

 クーペの1.2リッターと1.4リッターの外観上の違いは、なんといってもその特徴的なリアデザインでした。日産としては少しでも価格が高い1.4リッターのミックスを上げたいという思いからか(多分)、1.4リッターには丸形3連のテールランプを左右に配した未来感あふれるデザインが採用され、1.2リッターとは明らかな差別化がなされていました。

 当時この未来感あふれるリアデザインのことを、ロケットのようだ、そうだこれぞまさにロケットクーペだとかいわれていましたが、私にはその宣伝メインカラーのグリーンメタリックも相まって、サンダーバード2号にしかみえませんでした。

「3代目サニー」のクーペの外観イメージ:1.4リッター(左)、1.2リッター(右)(パワポで作成)
「3代目サニー」のクーペの外観イメージ:1.4リッター(左)、1.2リッター(右)(パワポで作成)

2‐3)排気量アップ

 前述の通り「3代目サニー」に搭載されたエンジンは、当初は先代と同じ1.2リッターと1.4リッターの2本立てでした。ただ厳しい排ガス規制への対応と、それによるパワーダウンを補うといった目的で、A12型エンジンは1.4リッターのA14型に、L14型エンジンは1.6リッターのL16型に排気量アップされました。

 そしてA14型エンジンには、一旦はラインアップから消えていたツインキャブレター仕様を復活させ、[GX-T]というグレードが設定されました。厳しい排ガス規制の中で見せた、日産の意地だったのかもしれません。

3.各車の主要諸元

 下表に、次回からご紹介する友人たちの乗っていた「3代目サニー」のグレードの主要諸元を示します。1200GXに対し1400GXは、エンジン出力は大きく上回りますが、車重も大きく上回るので、パワーウエイトレシオは1400GXが少しいいだけで、それほど大きく変わりません。

 そして1200GXには、素性のいいA12型エンジンが搭載されてるということで、1200GXのほうがスポーティな走りが楽しめた理由が、あらためて納得できます。

「3代目サニー」の主要諸元

4.おわりに

 以上が、「3代目サニー」の車両概要のご紹介になります。

 次回【中編】では、「3代目サニー」に乗っていた3人の友人の中の、一度思い込んだらとことんやりぬかないと気が済まない一途な友人と、その友人の愛車だった「3代目サニー」の4ドアセダンをご紹介をさせていただきます。

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