我が青春を彩ったクルマたち:番外12(いすゞの名車:117クーペ編【後編】:”手造り” にはオーラを感じました。)
1.はじめに
前回の番外11(いすゞの名車:117クーペ編【前編】)では、「117クーペ」は “日本3大美車" のひとつで、発売当初は職人の方々が、丹精込めて手造りで仕上げた芸術品のようなクルマだったことをご紹介しました。
今回【後編】では、その “手造り" から始まった「117クーペ」が 、"量産丸目"、"量産角目" と進化(退化)していく過程をご紹介したいと思います。
なお本ブログは、私の学生時代のつたない記憶と、定期購読誌「国産名車コレクション」、「名車文化研究所」や自動車メーカーなどのサイト、を参考にして書いていることをご承知おきください。
2.3つのフェーズ
「117クーペ」は、1968年12月から1981年5月までの13年間販売されました。いまでこそクルマのモデルライフは長くなっていますが、平均的なモデルチェンジサイクルが4年だった当時では、長寿車のひとつに数えられていました。
その13年間を大きく分けると、"手造り"、"量産丸目"、"量産角目" という3つのフェーズに分けることができ、それぞれに特徴がありました。
その中でも分かりやすいところで、以下に ”フロントとリアのデザイン” と ”インパネのデザイン” の各フェーズの特徴をまとめてみました。
2‐1)フロントとリアのデザイン
3つのフェーズの中でもひときわ存在感を放っていたのは、"手造り" の「117クーペ」です。私が学生時代はすでに最後のフェーズの “量産角目" に差し掛かろうとしていましたが、たまにこの “手造り" の「117クーペ」に出会うことができました。
丸形ヘッドライトでフロントグリルに横ラインが一本入り、リアコンビランプが小ぶりなのが外観上の特徴となりますが、量産移行後のモデルにはない、手造りならではのなんともいえないオーラを感じました。
私の学生時代に街中で一番多く見かけたのは、第2フェースの “量産丸目" の量販グレードの[XC]で、この[XC]以外のグレードを見かけることはほとんどありませんでした。
【前編】でも少しお話ししましたが、私の兄貴は「117クーペ」にのっていたことがあり、第2フェースの “量産丸目" の最上級グレード[XE]でした(どうやってお金を工面したのか未だにわかりません)。
[XE]のエンジンはDOHC(Doble Over Head Camshaft)、インパネは木目で、"手造り" に近い仕様ということで高価だったので台数も少なく、"手造り" ほどではありませんが、けっこう見栄がはれたようです。
そして最後のフェーズの “量産角目" に移行する際には、角型ヘッドライトは「117クーペ」のオリジナリティを損ねるのではないかという不安の声が多く上がりましたが、いざ発売されると意外と似合っており、より進化したという印象を受けました。



2‐2)インパネのデザイン
インパネのデザインは、"手造り" と “量産丸目" は基本的には同じでした。"量産丸目" になってからも前述の通り、私の兄貴がのっていた最上グレードの[XE]には木目パネルが採用されていました。
"量産角目" では、インパネの計器類の基本レイアウトは踏襲されつつもゲージ類が角型に変更され、上級グレードの木目パネルも一目で樹脂製と分かるクオリティになっていました。
角型のヘッドライトは正常進化と感じられましたが、この丸形と角型が入り乱れたデザインの樹脂製インパネは、かなり俗っぽさを感じてしまいました(個人的な感想です)。

ちなみに “手造り" の木目パネルは、本物の木製パネル(当時の写真や資料から類推)で、私の兄貴は自分の愛車である “量産丸目" の[XE]の木目パネルも同じものだと信じ込んでいましたが、ある日事件が起こりました。
兄貴としては本物の木製パネルなので、定期的に水分を与えてやらないとヒビが入るのではと心配していたようですが、なんとヒビではなく木目パネルの隅っこが剥がれてきて、アルミ板の地肌が顔を出しました。
どうやら本物の木製パネルではなく、アルミ板の上に木の薄皮が貼られていたようでした。
そしてその剥がれた薄皮をながめているうちに、よく刺身やたこ焼きが盛り付けられる経木舟皿(きょうぎふなざら)を思い出してしまいました。
![隅っこが剥がれてきた "量産丸目" の[XE]の木目パネル(左)と 刺身が盛り付けられた経木舟皿(右)](https://kenmary.blog/wp-content/uploads/2025/11/第2ェーズインパネ剥がれ2-1024x338.jpg)
3.主要諸元
下表に「117クーペ」の初期型と最終型(正確には1979年12月の2.2リッターディーゼルエンジンなどの投入のイベントが最終)の主要諸元を示します。
10年の時を経て厳しい排ガス規制をクリアするために、エンジン排気量は1.6リッターから2.0リッターまで拡大されました。その甲斐あって最高出力や最大トルクはアップしており、最終型では一時カタログ落ちしていたDOHCエンジンを搭載したスポーティグレード[XG]が復活しました。
このモデルは、減衰力可変ショックアブソーバー、後輪ディスクブレーキ、LSD(Limited Slip Differential)などで足回りが強化されており、「117クーペ」らしからぬ(?)スポーティな走りが楽しめたようです。
そしてこの[XG]には、以前ご紹介した「初代カリーナクーペ」にのっていた友人が、学生時代の最後の最後に乗り換えました。ただあまりにも最後だったので、ほとんど私の記憶には残っていません。
いまから思えば「117クーペ」のスポーティグレード[XG]がいったいどんな走りだったのが、のせてもらっておけばよかったです。

4.おわりに
以上が、「117クーペ」のご紹介の【後編】となります。
"手造り" から始まった「117クーペ」ですが 、厳しい排ガス規制が課せられる中で “量産丸目"、"量産角目" と一部を除き確実に進化を遂げました。
ただ私の学生時代には、「117クーペ」はそこそこの数が走っていたので、エクステリアデザインがファインチューニングされても、インパネが使いやすくなっても、エンジン出力が上がっても、足回りが強化されても、オーラを放つことができるモデルは “手造り" だけでした。
いまでは「117クーペ」をほとんど見かけることはありませんが、つい先日、何年かぶりに奇跡的に「117クーペ」が目の前を走りすぎていきました。
その「117クーペ」は “量産丸目" でしたがハッとされられるど美しく、 “手造り" でなくとも十分すぎるほどのオーラを放っていました。
さすが 永遠の名車「117クーペ」、いまではすべてのフェーズの「117クーペ」がオーラを放っています。
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![友人がのる「117クーペ[XG]」のイメージ(画像をクリックすると、その前に乗っていた「カリーナ」のブログに飛びます)](https://kenmary.blog/wp-content/uploads/2026/01/大山の117XG.jpg)



















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