我が青春を彩ったクルマたち:その20(初代ジェミニ編【後編】:最後はかわいそうな姿で終わりました。)
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1.はじめに
前回【前編】では、遊びの達人の友人がのっていたいすゞの「初代ジェミニ」の車両概要をご紹介しました。兄貴分の「オペル・カデット」には及びませんでしたが、国産車の中では外車の香りがする垢抜けした存在で、販売もなかなか好調でした。
今回【後編】では、その遊びの達人の友人と、その愛車だった「オペル・カデット」仕様の「初代ジェミニ」をご紹介したいと思います。さっそうと大学の構内に乗りつけられてきた「初代ジェミニ」でしたが、最後はちょっとかわいそうな姿で終わりました。
なお本ブログは、私の学生時代のつたない記憶と、定期購読誌「国産名車コレクション」、「名車文化研究所」や自動車メーカーなどのサイト、を参考にして書いていることをご承知おきください。
2.遊びの達人の「初代ジェミニ」
2‐1)「オペルカデット」仕様
遊びの達人の友人は、知り合いの中古車ショップで「オペルカデット」仕様の「初代ジェミニ」を購入したようです。前オーナーのこだわりで、「オペルカデット」を真似てヘッドライトを丸目から角目に、フェンダーミラーをドアミラーに、ボディカラーを地味目な純正の赤からフェラーリ張りの真紅の赤に変更(改造)されていました。
そしてある日、友人たちと共に学食で昼食を食べ終えて、教室のある建屋に向かう途中で、さっそうと「オペル・カデット」仕様の「初代ジェミニ」が現れました。
あきらかにノーマルの「初代ジェミニ」とは違うのでけっこう注目の的になり、もちろん本人はそれに気付いていたと思いますが、普段はしないサングラスをかけてすかして通り過ぎていきました。友人の「オペルカデット」仕様の「初代ジェミニ」が最も輝いた瞬間でした。

2‐2)スキーの達人
友人は、いろいろな遊びの中でも特にスキーを得意としていました。高校のころから冬になると、越後湯沢の民宿でバイトしつつ腕を磨いたようでした。
もちろん私も高校時代からスキーには憧れていましたが、スキーはお金がかかり裕福な方々のスポーツということで、私はひたすら円盤と砲丸を投げ続けました。
そんな私も、大学に入ると周りの友人たちの影響を受けスキーを始めることになりました。遊びの達人の友人に連れられてわざわざ東京のお茶の水までいき、いわれるがままに格安のスキー用品を一式購入しました。聞いたことのないブランドばかりでしたが、はじめての私にとっては憧れの品々でした。
そしていよいよスキーデビューしました。場所は越後湯沢で、遊びの達人の友人が高校のころからバイトしていた民宿に、仲間たちみんなで安く泊まらさせてもらいました。修学旅行みたいで楽しかったです。
ゲレンデの入口で、遊びの達人の友人がスキー初体験の私ともうひとりの友人に、得意の毒舌を交えながら指導してくれました。そして一通り指導が終わったら、遊びの達人の友人は水を得た魚のごとくゲレンデに飛び出していきました。
私ともうひとりの友人が、緩斜面でスキーの板を八の字にして恐る恐る滑っていると、遊びの達人の友人は色鮮やかなスキーウエアを身にまとい、有名なアニソンシンガーのように首にスカーフを巻いて、気持ちよさそうに滑走していました。なかなかかっこよかったです。

2‐3)或る日かわいそうな姿に
現れたときは注目の的だった「オペル・カデット」仕様の「初代ジェミニ」でしたが、あるとき悲劇がおとずれました。どうやら改造申請をしていなかったようで、そのままでは車検が通らないことが分かりました。
そして車検から戻ってきた「オペル・カデット」仕様だった(?)「初代ジェミニ」は、丸目のヘッドライトとフェンダーミラーに戻されており、それも応急的に処置されたようで、純正の「初代ジェミニ」よりも貧相になっていました。
おまけにあのフェラーリ張りの真紅の赤も、安価なラッカー塗装だったようで、あっという間に色あせてしまい、見るも無残なかなしい姿になってしまいました。それからは遊びの達人の友人は、「オペルカデット」仕様だった(?)「初代ジェミニ」にのるときは、サングラスをしなくなりました。

3.「オペル・カデット」と「初代ジェミニ」の主要諸元
【前編】でもご紹介しましたが参考までに、下表に「オペル・カデット」と「初代ジェミニ」の主要諸元を示します。

4.おわりに
以上が、遊びの達人の友人と、その愛車だった「オペル・カデット」仕様の「初代ジェミニ」のご紹介となります。
「初代ジェミニ」は【前編】でもご紹介しましたが、ライフの途中で1.8リッターエンジン、同ディーゼルエンジン、同DOHCエンジンが追加され、またヘッドライトが角目に変更されたり、スラントノーズ化されたりして1987年まで(1985年以降は2代目と併売)、約13年間生産され続けました。
ただモデル末期になっても、その「オペル・カデット」譲りの垢抜けたエクステリアデザインは、色あせることはありませんでした。
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