24年秋 箱根の旅:その7(美蔵(みくら)編:「鈴廣かまぼこの里」の中にあるそばと板わさの名店です。)
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1.はじめに
前回(その6)では、【箱根仙石原プリンスホテル】の朝食をご紹介しました。近年北海道の函館周辺のホテルでエスカレートしている朝食バトルのような、海鮮をこれでもかと盛った朝食に比べると見劣りするのかもしれませんが、質の良い品々をバランスよくそろえた、清々しい箱根の朝にピッタリの朝食でした。
チェックアウト時間が13時になるレイトチェックアウトの特典をつけていただいたので、朝食を食べた後で、もう一度温泉大浴場でまったりと湯治(?)し(結局滞在中は4回温泉に入りました)、12時すぎまで粘ってようやくチェックアウトをすませました。
すでにお昼どきになっていましたが、充実の朝食のおかげてまだお腹は十分満たされていたので、昼食は下山してから、箱根湯本の先にある「鈴廣かまぼこの里」の中のお店でいただくことにしました。
ということで今回(その6)では、「鈴廣かまぼこの里」の中にある、そばと板わさの名店【美蔵】をご紹介します。本格的なそばと、ぷるっぷるの本物のかまぼこを楽しむことができました。
なおブログ内に掲載されている価格情報は、2024年10月現在のものとなりますことを、ご承知おきください。
2.お店は登録有形文化財の中
【鈴廣】は、慶応元年(1865年)に小田原で創業した、だれもが知るかまぼこの老舗中の老舗です。そして昭和37年(1962年)に、「鈴廣かまぼこの里」のある風祭に移転し現在に至っています。
お店の中に、当時の写真が飾られていましたが、観光バスがずらりの並び、箱根観光の帰りに、工場直売のかまぼこを買い求める観光客で、さぞかし賑わっていたことと思います。
そして平成12年(2000年)に、【美蔵】が入っている建物を秋田や富山の古民家を移築して造り、平成14年(2002年)に国の登録有形文化財に指定されました。その建物は当初は「千世倭樓(ちょうわろう)」と呼ばれていたようですが、なぜか現在ではその呼び名は消えています。
【美蔵】は、その少し後の平成18年(2006年)にオープンし、現在その建物には下記4つのお店が入っています。
その中で、会席料理の【大清水】は、入り口が別になっており、建物も富山から移築した合掌造りで別棟となっています。
このお店は、決まったお品書きはなく、調理長がお客さまの顔ぶれやお好みを伺いながら、旬の食材を合わせ、一品一品献立を組み立てる、一日2組、最大10名様限定の、超高級なお店のようです。空いているからといって、あやまって足を踏み入れてはいけません。
3.なんと27組待ち
建物の中に入ると、すでに14時ちかくにもかかわらず多くの人たちがおみえになりました。そして【美蔵】のお店の前には、順番待ちの登録パネルがあり、なんと27組待ちになっていました。
さすがにこれではと思いつつ、よくみてみると順番が来てもパスしたらしき順番待ち番号が、けっこうたくさん表示してあったので、意外と早く回ってくることを期待して、順番が近づいてくるとスマホに連絡がもらえるようにして登録をすませました。
4.アートな【千恵】
待っている時間に、道路を隔てて向かいにある【鈴なり市場】という巨大なお土産ショップにでもいこうかと思いましたが、予想通り幽霊登録者たちをどんどんスキップして番号が呼ばれているので、【美蔵】の隣りにある【千恵】という高級お土産ショップ(正式にはギャラリー&ショップ)をながめてみることにしました。
さすが高級お土産ショップだけあり、そこには神奈川県在住作家の作品や、地元の木工品が上品に飾られていました。特に箱根の名産品である寄木細工はかなり手の込んだ造りで、よくお土産屋さんで売っているものとは、お値段をふくめてまったく別物でした。
5.最高の組み合わせ
5‐1)読み通り入店
【千恵】で目の保養をさせてもらっているうちに、スマホに自動音声で連絡が入りました。そして【美蔵】のお店の前で順番を待っていると(けっこうこの時間が長かったです)、ついに順番がまわってきました。結局私の読みが当たり40分ほどの待ちで入店できました。
5‐2)充実したメニュー
【美蔵】のそばは、北海道深川産のそばを石臼で丁寧に挽き、「箱根百年水」で打たれているようです。そして板わさは、もちろん老舗中の老舗【鈴廣】のかまぼこになります。
メニューは、ボリューミーなセット、冷そば、温そば、うどん、酒の肴、お酒、ソフトドリンク、お子様メニューなど、なかなか充実していました。
5‐3)そばと酒の肴
最初は、せっかくなので厚さ5センチの豪華なかまぼこのかき揚げをと一瞬思いましたが、いまだに充実の朝食がお腹の中で元気のようだったので(ずいぶん代謝が衰えてきました)どうすべきか思案していると、カミさんがそばが茹で上がるまでの時間を江戸前風に楽しむ、 “そば前五種セット" を注文しようとしていました。
その内容を見てみると
・有明海産 海苔
・江戸前玉子焼き
・揚げそばスティック
・鈴廣の一品
・板わさ
といった、とても魅力的なお酒の肴にぴったりの品々がそろえられていました。残念ながら運転手なのでお酒は吞めませんが、これなら【鈴廣】らしさを味わえ、そばとの相性も抜群と思い、私も “そば前五種セット" を注文することにしました。そしてメインのそばは、私は冷そばの “田舎ざる" 、カミさんは冷そばの “ざる" を注文しました。
"そば前五種セット" は、その役割から速攻で登場しました。どの品も厳選され、手間ひまかけて造られた逸品ばかりでした。かまぼこは、ただでさえおいしい【鈴廣】のかまぼこをさらに吟味した一品で、ぷるっぷるの本物のかまぼこでした。
海苔も、炭であぶりながら食べるという、なかなか本格的なスタイルでした。これぞまさに江戸前でした。
続いてそばです。私の “田舎ざる" は、十割そばのようで(多分)、そばの風味が感じられる食べ応えのあるそばでした。カミさんの “ざる" は二八そばのようで(多分)、おすそ分けしてもらって食べると、スルスルっとしたとてものどごしのいいそばでした。さすが【鈴廣】、どちらのそばも本格的な味でした。
5‐4)そばのお供
そばのお供はお酒といいたいところですが、しつこいですが私は運転手なのでお茶で我慢しました。ただそのお茶はそば茶で、立派なそばのお供になってくれました。
カミさんはその場で【美蔵】のスマホ会員になっていましたが、その特典でなんと【鈴廣】系列の【箱根ビール】のクラフトビールがついてくるようでした。が、それは梅ジュースに姿を変えました。残念。
6.おわりに
以上が、「鈴廣かまぼこの里」の中にある、そばと板わさの名店【美蔵】のご紹介となります。さすが【鈴廣】が運営するお店ということで、本格的なそばと、ぷるっぷるの本物のかまぼこを楽しむことができました。
そして、夕日をバックに名残惜しい気持ち一杯で、帰路につきました。3連休の中日でしたが、思っていた以上に渋滞が激しかったので、東名高速道路の海老名SAでトイレ休憩をすることにしました。
さすが海老名SA、ちょっとご無沙汰しているうちにますますお土産コーナーが充実してきており、観光地ではとにかく観光に専念し、お土産はこの海老名SAで調達するということが可能なほどの品ぞろえになっていました。
そんな中でカミさんが、今回ご紹介した【鈴廣】と肩を並べる小田原の老舗かまぼこ屋である【籠清】の「923形ドクターイエロー&新幹線切り出しかまぼこ:以下新幹線かまぼこ」なるものをみつけました。ということで次回は、この「新幹線かまぼこ」と、以前ご紹介した【鈴廣】の「かまぼこトミカ」、その製造元である【籠清】と【鈴廣】をご紹介したいと思います。
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